こんにちはコテコテ関西人やっせです。本日は関西人が頻繁に使う「しんどい」という言葉の意味等について紹介致します。
最近ではテレビなどの影響もあってか、全国的にも使う人の増えている「しんどい」という言葉ですが地元関西では実に様々な意味で使用します。
そのあたりのことを関西弁歴半世紀の大阪人が関西以外にお住まいの方にもスッキリとご理解頂けるよう、なるべく丁寧に、かつユーモアをもって解説していきますので興味のある方は是非とも、最後までお付き合い下さい。
ほな、早速、行かせてもらいまっせ~!
「しんどい」というのは、たしか、体調が悪いという意味だよね。それ以外の意味でも使われているっていうこと?
関西弁しんどいの意味は?
関西弁における「しんどい」の意味は次のとおりです。
- 体調が悪い
- 体力的に辛い
- 経済的に苦しい
- 経営的に苦しい
- 業務等の内容的に大変
- 精神的に辛い
- 人間性等に問題がある
つまり、体調や体力的なことに限らず、あらゆることに関する辛い、もしくは苦しい状況について「しんどい」という言葉で表現するということです。
なお、最近は、一部の若者の間で、人物等(キャラクターなどを含む)のことを、ものすごく好きなことや、ものすごく魅力を感じていることを表現する意味で「しんどい」という言葉を使うらしいです。
まあ、要するに「しんどい」と感じるほど、ものすごく好き、あるいは、ものすごく魅力的ということなのでしょう。
わざわざ否定的というか後ろ向きなイメージの言葉を使わなくても、ストレートに「めっちゃ好き」とか言えばいいのにね。まあ、これも現代の若者文化なのでしょうから、おっさんが、とやかく口を出すようなことじゃないのかもしれませんけど。
いずれにしても、おっさんとしては多少、違和感を感じる使い方です。
経済的に苦しいことなんかも、しんどいって言うのね。
しんどいを使った例文
それでは次に「しんどい」という言葉への理解を深めて頂くべく、実際の会話を想定した使用例文をいくつか紹介致します。各例文に標準語訳や一言コメントをお付けしておりますので、合わせて参考になさって下さい。
熱は大分、下がったけど、まだ、しんどい。もう一日、休むわ。
(標準語訳:熱は大分、下がったけど、まだ、体調が良くない。もう一日、休むよ。)
体調が悪いという意味で使っている事例。ちなみに関西ではお医者さんも患者に「どこがしんどいのん?」と聞いたりします。
ああ、しんど。
(標準語訳:ああ、きつい。)
体力的に辛いという意味で使っている事例。「ああ、しんど」はほぼ定型表現です。
あかん、今月しんどいねん。また、誘って。
(標準語訳:ダメだ、今月、経済的に余裕がないんだ。また、誘って。)
経済的に苦しいという意味で使っている事例。「今月、しんどい」と来れば、ほぼ経済的に苦しいか、経営的に苦しいかのどちらかです。
社長、最近、どないだっか?
(標準語訳:社長、最近、どうですか?)
いやあ、しんどいねえ。早いこと外国人観光客に戻って来てもらわんと、どないもなれへん。
(標準語訳:いやあ、厳しいねえ。早く外国人観光客に戻って来てもらわないと、どうにもならないよ。)
経営的に苦しいという意味で使っている事例。ちなみに経営的にゆとりがある場合には「ぼちぼちでんな。」と答えることになります。
新しいバイトはどないよ?
(標準語訳:新しいバイトはどうよ。)
それが、めちゃめちゃしんどいねん。昼間のいっちゃん、忙しい時に人、2人しかおらんのやで。えげつないやろ。
(標準語訳:それが、すごく大変なんだ。昼間の一番、忙しい時に人が2人しかいないんだよ。ひどいでしょ。)
業務等の内容的に大変という意味で使っている事例。ちなみに関西人は仕事が大変であることをアピールするために、ことさらに「しんどい」と言いがちです。
マジで自分なんか消えた方がいいんちゃうかって思ってた。ほんま、あの頃はしんどかったよ。
(標準語訳:マジで自分なんか消えた方がいいんじゃないかって思ってた。本当に、あの頃は辛かったよ。)
精神的に辛いという意味で使っている事例。
あいつも大分、しんどいヤツやからな。
(標準語訳:あいつも大分、人間的に問題のあるヤツだからな。)
人間性等に問題があるという意味で使っている事例。単に性格や考え方に問題があるという場合だけでなく、理解力や実践能力等の点で問題があるという場合にも「しんどい」という言い方をします。
あいつも離婚するわ、会社はクビになるわで、ほんましんどい時やと思うわ。
(標準語訳:あいつも離婚するわ、会社はクビになるわで、本当に辛い時だと思うわ。)
色々とひっくるめて辛いという意味で使っている事例。しんどいことって重なるもんですからねえ。
なるほど、例文を見ると、その意味が、しっくり来るね。
しんどいはどこの方言?
「しんどい」は主に近畿地方や四国地方で使われている方言です。
ただし、体調が悪いという意味での「しんどい」は頻度は低いながら、他の地方でも使用されており、その意味では「しんどい」は標準語とまでは言わなくても、それに近い全国的に意味の通じる共通語とでも言うべきものと言えそうです。
ちなみに近畿地方や四国地方においても体調が悪いということを言うのに「しんどい」以外の言葉を使わないわけではありません。他の地方において頻繁に使用されている「えらい」「きつい」「だるい」などといった言葉も併用しています。
この体調が悪いことを意味する言葉を混在使用している状況は近畿地方や四国地方に限った話ではなく、全国的に見られる現象のようです。
近畿地方や四国地方の方言だけど、全国的にも使われているってことね。
まとめ
- 関西弁における「しんどい」の意味は次のとおり。
・体調が悪い
・体力的に辛い
・経済的に苦しい
・経営的に苦しい
・業務等の内容的に大変
・精神的に辛い
・人間性等に問題がある - 最近では一部の若者の間で、人物等のことを、ものすごく好きなことや、ものすごく魅力を感じていることを表現する意味で「しんどい」という言葉を使うことがある。
- 「しんどい」は主に近畿地方や四国地方で使われている方言である。ただし、体調が悪いという意味での「しんどい」は頻度自体は落ちるものの、他の地方においても使用されている。
実はうちの息子がすぐに、しんどい、しんどいという方で少し気になってます。大して何もしてないくせにね。
しんどいって言うなとは、言いませんが、あまり簡単にしんどいって言うのもどうかと思うんですよ。
しょせん僕の息子なんで、バリバリ根性があるタイプになることなんて期待しているわけではないのですが、もう少しだけ、踏ん張れるといいのになと。ほんと、全くと言っていいほど、踏ん張りませんからねえ。(笑)
すいません、完全にオヤジの愚痴になってしまいました。いずれにしても「しんどい」はできれば、あまり口にして欲しくはない言葉です。
いや、本当にしんどい時はしんどいって言えばいいんやけどね。もうちょいだけ、踏ん張ろうという話です。
以上、今回は関西弁「しんどい」という言葉の意味等についてお伝えいたしました。
当サイトでは「しんどい」以外にも様々な言葉の意味等について紹介しています。興味のある方は是非、合わせてチェックして下さい。