こんにちは、コテコテ関西人やっせです。本日は関西弁「邪魔(じゃま)くさい」という言葉の意味について紹介致します。
紹介したいと思ったきっかけは、いつもと同じ。関東在住のクライアント相手に「そないに邪魔くさいことせんでも」と言ったら意味が通じなかったからです。はい、またまた本人、無自覚使用の関西弁を発見してしまいました。
で、ちょっと、調べてみたところ、実は「邪魔くさい」という言葉、そんなにメジャーではありませんが、標準語にも存在しているようです。ただ、関西弁でいうところの「邪魔くさい」と標準語での「邪魔くさい」では、意味がかなり異なるんですね。
そのあたりのことを例文なども交えつつ、関西弁歴半世紀のコテコテ関西人がおもしろ、おかしく解説していきますので、興味のある方は是非とも最後までお付き合い下さい。
そしたら、早速、行きまっせ~!
「邪魔くさい」って言葉は、ちょっと、聞いたことがないなあ。どういう意味なんだろ。
関西弁「邪魔くさい」の意味は?
関西弁における「邪魔くさい」はズバリ「面倒くさい」ことを意味します。はい、関西弁における「邪魔くさい」は何かが邪魔になっているというわけではなく、ただ、ただ「面倒くさい」ということを意味しているのです。
これに対して標準語における「邪魔くさい」というのは「ひどく邪魔である」こと、もしくは「邪魔になって不快である」ことを意味しています。つまり、邪魔であることを基本としつつ、その程度が著しいことを「邪魔くさい」というわけです。
このように「邪魔くさい」の関西弁における意味と標準語における意味はかなり、異なっています。関東人と関西人の間でのミスコミュニケーションを避けるためにも是非とも覚えておいて下さいね。
ちなみに「邪魔」というのはもともと仏教用語で修業の妨げとなる煩悩のこと言います。ということは、最初に「邪魔くさい」と言い出した人は「自分はささいなことを面倒に感じる、煩悩くさい人間だなあ」というような意味合いで使ったのかもしれません。
まあ、完全に私の妄想レベルの推測ですが。いずれにしても言葉が生まれる瞬間のストーリーって想像してみるだけでも面白いですよね。
標準語に「邪魔くさい」という言葉があること自体、知らなかったわ。勉強になる。
邪魔くさいを使った例文
それでは次に「邪魔くさい」という言葉を使った例文を紹介していきます。一応、標準語訳もつけておきますので合わせて参考にして下さいね。
自分、今日、八尾の方行くんやろ。ちょっと、帰りしなに、おばあちゃんとこ、顔見に寄ったって。
(標準語訳:あなた、今日、八尾の方に行くんでしょ。ちょっと帰りにおばあちゃんのところに顔を見に寄ってあげて。)
えー、邪魔くさい。めちゃめちゃ、遠回りになるやん。
(標準語訳:えー、面倒くさい。すごく遠回りになるじゃないか。)
なんでもかんでも邪魔くさいっていいな。あんた、おばあちゃん、心配ちゃうんか?
(標準語訳:なんでもかんでも面倒くさいって言わないで。あなた、おばあちゃんのことが心配じゃないの?)
オーソドックスな「邪魔くさい」の使い方。母親がちょっとした頼み事をし、息子がそれを邪魔くさがるというのは全国共通の構図です。
うわあ、めちゃめちゃ、雨、降ってるやん。今日、バイトあんのに。邪魔くさ~。
(標準語訳:うわ、ものすごく雨が降ってる。今日、バイトがあるのに。面倒くさいなあ。)
これもかなり、オーソドックスな使い方。会話の中では「邪魔くさ~」とか、「邪魔くさっ」などと単独で使用することも多い。
ちなみに関西人は手のかかること、細かいことを極端に嫌がる「邪魔くさがり」が多いです。
お前、ほんまに邪魔くさい奴やなあ。
(標準語訳:お前、本当に面倒くさい奴だね。)
人を評するのに使うパターン。主に「細かいことを言う人」「ささいなことで気分を害する人」のことを「邪魔くさい奴」と評します。
※以下のページで関西弁の悪口をまとめて紹介しています。興味のある方は合わせてチェックしてみて下さい。
関西弁の悪口一覧を掲載しています。関西弁歴半世紀の大阪人が定番の悪口からややマニアックな悪口まで、思いつく限り、徹底的に紹介していますので興味のある方は是非ともご覧になって下さい。
使い方としては「面倒くさい」とほぼ同じだね。
邪魔くさいってどこの方言?
面倒くさいという意味で使われる「邪魔くさい」は既に申し上げたとおり、関西弁であるわけですが、その使用頻度は地域によってかなり異なるようです。
私が友人や取引先など、個人的な人脈を頼りに調査した限りでは、日常的によく使うとの回答を得たのは以下の地域の方でした。
京都府中部・南部、大阪府、和歌山県北部、奈良県、兵庫県南東部
ですので、あえて言えば、これらの地域の方言ということになるのかもしれません。
ちなみに上記の地域についても「邪魔くさい」と併用して「面倒くさい」も使うようです。決して「邪魔くさい」しか使わないわけではありませんので、その点、誤解されませんように。
近畿圏の中心に近いところでの使用頻度が高くなるのね。
まとめ
- 関西弁における「邪魔くさい」は「面倒くさい」ことを意味する。
- 標準語における「邪魔くさい」というのは「ひどく邪魔である」こと、もしくは「邪魔になって不快である」ことを意味する。
- 「邪魔くさい」は京都府、大阪府、奈良県などで特に使用頻度が高い。
例文じゃないですが、私自身も「邪魔くさがり」で子供の頃からよく、亡くなった母に「邪魔くさい、邪魔くさい、いいな。」と叱られたものです。まあ、そのかいもなく、今でも邪魔くさい、邪魔くさいと、ついつい、言ってしまってますけどね。
なるべくなら口にしない方がいいけど、ほんと、癖のように口をついて出てしまう言葉。それが私にとっての「邪魔くさい」という言葉の印象ですかね。
そういえば、最近、うちの息子も何かにつけて「邪魔くさい」って言ってるような気がします。ひょっとして私の口癖がうつってしまった?(-_-;)
これは非常にマズいことですね。嫁さんに気づかれたら絶対に文句を言われる。少なくとも息子の前ではあまり邪魔くさいと言わないよう、心がけたいと思います。
以上、今回は関西弁「邪魔くさい」という言葉の意味等についてお伝えいたしました。
当サイトでは「邪魔くさい」以外にも色んな言葉の意味等について紹介しています。興味のある方は合わせてご覧になって下さいね。