まいど、コテコテ関西人やっせです。本日は「くさす」という言葉についてお伝えいたします。
先日、当方がクライアント向けに発行しているメールマガジンの中で「ライバルのことを、ことさらにくさすようなことを言うのは得策でない」というようなことを書かせてもらったところ、あるの読者の方から「くさすって、どういう意味ですか?」といった内容の質問メールを頂きました。
えっ「くさす」って全国的には意味が通じない言葉なの?ひょっとしてこれも関西弁?
そこで、当サイトでもあらためてそのあたりのことを調査した上で「くさす」という言葉について紹介してみようと考えたわけです。
「くさす」という言葉をはじめて聞いたという方にもスッキリとご理解頂けるよう、丁寧になおかつユーモアを持って解説させて頂くつもりですので興味のある方は是非とも最後までご覧になって下さい。
ほな、早速、行かせてもらいまっせ~!
「くさす」なんて聞いたことないなあ。「腐らせる」とか?
「くさす」の意味とは?
「くさす」とはズバリ
人のことを悪く言う
ことですね。
たとえばこんな感じで使います。
「あんまり、人のことくさすなや。(標準語訳:あんまり、人のことを悪く言うなよ。)」
「くさす」は漢字では「腐す」と書きます。
意味するところがダイレクトに伝わるような漢字ですね。
「くさす」の同義語としては「けなす(貶す)」があります。
両者のニュアンスの違いとしては「けなす」の方が「人のことをひどく悪く言う」というような意味合いであるのに対し、「くさす」の方は「その人の評判を下げるような目的を持って悪く言う」というような意味合いになります。
まあ、実際にはこういう意味合いの違いを意識して両者を使い分けている人はほとんどいないと思いますので、あまり気にする必要はありませんが、そういう違いが一応あるのだなということを頭の片隅にでも置いておいて下さい。
「その人の評判を下げるような目的を持って悪く言う」って、なんか最悪の意味だね。
「くさす」はどこの方言?
結論から言いますと「くさす」は方言ではなく共通語です。
国語辞典にも特に方言であるとの注釈なく記載されていますので共通語ということで間違いありません。
ただ、近年、「くさす」という言葉を全くといっていいほど使わない地域が増えているようです。
そのため、今でも「くさす」という言葉をよく使用する一部の地域の方言であると誤解されることが多くなっているということですね。
ちなみに今でも「くさす」という言葉をよく使用しているのは以下のような地域になります。
- 北海道
- 青森県
- 京都府
- 大阪府
- 熊本県
- 鹿児島県
私、個人の感覚としては、いずれも古くからの言葉が変わらず使用される傾向が強い地域ばかりのような気がします。
共通語なんだね。全く聞いたことがなかったから、てっきり、どこかの方言なのかと思ったよ。
「くさす」を使った例文
ここでは「くさす」という言葉を使った関西弁の例文をいくつか紹介させて頂きます。
実際の会話を想定した例文に触れることによって「くさす」という言葉の意味や使い方に対する理解がさらに深まることになると思いますので是非とも参考になさって下さい。
まあ、そないに人のこと、くさすなや。毎回、お前が課長のちょんぼ、被らされてしもうとるわけやから気持ちがわからんわけでもないけどな。
(標準語訳:まあ、そんなに人のこと、悪く言うなよ。毎回、お前が課長の失敗を被らされてしまっているわけだから気持ちがわからないわけでもないけどね。)
「くさす」のオーソドックスな使い方。
「くさす」こと自体、あまりほめられた行為ではないため、どうしても人のことを「くさす」ことを注意するような場面での使用が多くなるかと思います。
※「ちょんぼ」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
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あいつも口開いたと思たら人のこと、くさしてばっかりやからなあ。そら、段々にはみごみたいな状態にもなってくると思うわ。
(標準語訳:あいつも口を開いたと思ったら人のことを悪く言ってばかりだからなあ。そりゃあ、段々に仲間はずれみたいな状態にもなってくると思うわ。)
こちらもオーソドックスな使い方。
人のことをくさせばくさすほど、結局、自分自身の値打ちを下げることになってしまいますので注意しましょう。
自戒の意味を込めて。
※「はみご」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
「はみご」という言葉の意味等について関西弁歴半世紀の大阪人が解説しています。「はみご」という言葉のニュアンスや使用方法もわかる例文もいくつか紹介していますので興味のある方は、是非ともご覧になって下さい。
ここまで、つれのこと、くさされて黙ってられるかいな。俺自身のことやったら、なんぼ言われても、かまへんけどな。
(標準語訳:ここまで友達のことを悪く言われて黙ってられないよ。俺自身のことなら、いくら言われても構わないけどね。)
「くさされる」は「くさす」の受身形ですね。
これも結構、よく耳にする使い方です。
※「つれ」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
関西弁の「つれ」という言葉の意味等について関西弁歴半世紀の大阪人が紹介しています。標準語の「つれ」という言葉との、意味や使い方に関する違いが明確になるよう、わかりやすさ重視で解説していますので興味のある方は是非ともご覧になって下さい。
いずれの例文を見ても、そのまま「けなす」に置き換えることができそうね。両者の意味の違いは、あまり気にする必要がなさそう。
まとめ
- 「くさす」とは「人のことを悪く言う」ことである。漢字では「腐す」と書く。
- 「くさす」の同義語としては「けなす(貶す)」がある。
- 「くさす」には「その人の評判を下げるような目的を持って悪く言う」というようなニュアンスがある。
- 「くさす」は方言ではなく共通語である。
ちなみに私自身も今回、この記事を書くために調べてみるまでは「くさす」という言葉と「けなす」という言葉の意味の違いを特に意識したことはありませんでした。
まさか「くさす」に「その人の評判を下げるような目的を持って悪く言う」というようなニュアンスがあるとは。
さすがに今さら使い分けまでする気はありませんが、ちょっとしたウンチクとして私も覚えておきたいと思います。
以上、今回は「くさす」という言葉の意味等について紹介致しました。
当サイトでは「くさす」以外にも様々な言葉の意味等についてご紹介しています。手前味噌ではありますが結構ためになる記事も多いと思いますので興味のある方は是非とも合わせてご覧になって下さい。