こんにちは、コテコテ関西人やっせです。本日は関西人がよく使う「おる」という言葉について紹介したいと思います。
先日、東京の友達との会話の中で「あかん、16日はおらへんねん」と言ったところ、「おらへんって懐かしい!」と大ウケされてしまいました。
少なくとも東京では「おる」「おらん」という言葉は使わないみたい。そこで、「おる」という言葉を紹介してみようと思い立ったわけです。
「おる」という言葉の意味はもちろんのこと、その使い方や方言であるか、どうかなどについても詳しく解説していきますので興味のある方は、是非とも最後までお付き合い下さい。
そしたら、早速、行きまっせ~!
会話の文脈から、意味は想像つくけど、私も「おる」とか「おらん」なんて言葉、使うことないわ。方言なのかしら。
「おる」ってどういう意味なの?
まずは、「おる」という言葉の意味についてサクッと確認致します。
「おる(居る)」は標準語の「いる(居る)」と全く同じ意味です。
つまり、特定の場所に滞在していることや、この世に存在していることを指し示す場合に使用します。
ちなみに近畿圏では「いる」という意味で「おる」のほかに「いてる」という言葉も使います。「いてる」という言葉の詳細についてはこちらの記事で紹介していますので、合わせてご確認下さい。
関西弁「いてる」の意味等についてコテコテの関西人が解説しています。関西以外の人にもすんなりとご理解頂けるよう、豊富な例文を用いて解説していますので、興味のある方は是非ともご覧になって下さい。
「おる」も「いる」も漢字では同じく「居る」と書くのか。同じ意味の言葉なんだから、不自然じゃないけど、ちょっと、面白いね。
「おる」「おらん」という言葉は方言なの?
結論から言いますと「おる」は方言です。「おる」という言葉は現在、東京、神奈川、千葉、埼玉などの首都圏では使用されておらず、標準語とは言えないことは明らかだからです。
ただし、「おる」の丁寧な表現である「おります」「おられます」については現在も首都圏で使用されており、標準語ということになります。このことから「おる」もかつては、首都圏でも使用される標準語であったものと推察されます。
また、「おる」の使用範囲は東は富山県、長野県中部、静岡県西部から、西は鹿児島県を除く、ほぼ九州全域までと非常に広くなっています。つまり、一地方の方言というようなものではないのです。
方言ではあるけれど、使用範囲が西日本のほぼ全域と極めて広く、西日本の標準語とでも言うべきもの。それが「おる」という言葉の位置づけになります。
なお、「おる」の否定形である「おらん」については、雰囲気的にはいかにも狭義の関西弁っぽいですが、実際にはこちらも「おる」と同様に西日本のほぼ全域で使用されています。
「おる」とか「おらん」っていう言葉って、そんなにも広い範囲で使用されているんだね。
「おる」を使った例文
ここでは「おる」と言う言葉への理解を深めて頂くべく、関西弁(近畿圏一円の言葉という狭義の意味での関西弁)における「おる」の使用例をいくつか紹介したいと思います。標準語訳もお付けしておきますので合わせてご確認下さい。
おばちゃん、和君、おる?
(標準語訳:おばちゃん、和君、いる?)
今、おらんわ。公文、行ってんねん。
(標準語訳:今、いないわ。公文に行ってるよ。)
「おる」「おらん」の最もオーソドックスな使い方。「おらん」については「おらへん」あるいは「おれへん」とも言います。
あんた、どこにおったん?
(標準語訳:あなた、どこにいたの?)
たっちゃんらと三角公園、行ってた。
(標準語訳:たっちゃんたちと三角公園に行ってた。)
過去疑問は「おったん?」となり、「おってん?」とも言います。ちなみに「おる」の同義語「いてる」の過去疑問は「いてん?」となります。
また、遊びに行くんかいな。たまには家におったらどうや。
(標準語訳:また、遊びに行くの?たまには家にいたらどうなの?)
仮定は「おったら」となります。余談ですが私も子供の頃、上記のようなことを母からよく言われました。
あれもお父ちゃん、おらへんもんやから、子供の頃から割と苦労しとるからなあ。
(標準語訳:あいつもお父さんがいないものだから、子供の頃から割と苦労してるからね。)
標準語の「いる」と同様、「おる」もこの世に存在するという意味でも使います。
毎度、社長、おりはりまっか。
(標準語訳:こんにちは、社長、いらっしゃいますか。)
おりまっせ。ちょっと、お待ちくなはれ。
(標準語訳:いますよ。ちょっと、お待ち下さい。)
「おる」の例文なので「おりはりまっか」としましたが、「いてはりまっか」の方がよく使われると思います。「おりまっせ」については「いてまっせ」と同じくらいによく使われる表現です。
※「まっか」という言葉を含めた関西弁の語尾についてこちらの記事でまとめて紹介しています。興味のある方は是非ともご覧になって下さい。
関西弁の語尾について一覧で紹介しています。関西弁の語尾のニュアンスや使い方がスッキリとわかるよう、各語尾ごとに例文を用いて解説していますので、関西弁に興味のある方は是非とも、ご覧になって下さい。
「おったん」とか「おったら」とか変化の仕方が独特。使いこなすのはかなり難しそうだね。
まとめ
- 「おる」は標準語の「いる」と全く同じ意味。
- 近畿圏では「おる」の同義語として「いてる」も併用されている。
- 「おる」および、その否定形「おらん」は方言ながら、その使用範囲は西日本のほぼ全域と非常に広くなっている。
今回、この記事を書くにあたって調査したことの中で一番、驚いたのは「おる」の否定形「おらん」の使用範囲の広さですね。「おる」の方はともかくとして「おらん」については、いかにも関西弁っぽいので、まさか九州地方でまで使用されているとは思っていませんでした。
一応、母が九州の出身で、今でもおばが住んでいますので、今度、電話で話す折にでも軽く、聞いてみたいと思います。「おらん」なんて言ってるの、聞いたことがないような気がするんですけどねえ。ま、聞いてみたらわかることか。
以上、今回は「おる」という言葉の意味等についてお伝え致しました。
当サイトでは「おる」という言葉以外にも様々な言葉の意味等についてお伝えしています。きっと、面白い発見があることと思いますので、お時間、許す方は合わせてご覧になって下さいね。