まいど、コテコテ関西人、やっせです。
本日は「いてこます」という言葉の意味等についてお伝え致します。
先日、ある東京の友人と飲んでいる時に「いてこますって、怖い意味だっていうのはわかるけど、具体的にはどうすることなの?」との質問を受けました。
きっと、同じような疑問を持たれている方が多いのでは?
なにしろ「いてこます」は地元関西人でさえ、明確には意味がわかっていないことが多い言葉ですからw
そこで、今回、当サイトでもあらためて「いてこます」という言葉の意味等について紹介してみようと考えたわけです。
「いてこます」という言葉を初めて聞いたという方にもスッキリとご理解頂けるよう、丁寧になおかつ、ユーモアを持って解説させて頂くつもりですので興味のある方は是非とも最後までご覧になって下さい。
ほな、早速、行かせてもらいまっせ~!
「いてこます」なんて聞いたことがないなあ。どういう意味なんだろう。
「いてこます」の意味とは?
「いてこます」の意味は
- 思い切り痛めつける
- ボコボコにする
ですね。
一般的な辞書では「やっつける」などという、ちょっと上品な(上品ではないかw)意味の解説がなされていますが、そんな生易しいものではありません。
それこそ、相手が足腰、立たなくなるくらいまで痛めつけてしまう。
それが「いてこます」という言葉の意味するところです。
語源については
- 「行って、かます」→「いてかます」→「いてこます」と変化したとする説
- 「いてまう」と「こます(やるという意志を示す補助動詞)」が合わさったものとする説
などがあります。
まあ、どちらの説も可能性はあるでしょう。
個人的には後者の説の方がやや有力な気がしますけどね。
なお、相手に暴力をふるうことを意味する関西弁としては他に「しばく」「いてまう」「どつく」などがありますので合わせて覚えておいて下さい。
ちなみに、これらの言葉の中でも「いてこます」はもっともふるわれる暴力の程度がきつい、過激な言葉とされています。
言葉の響きとしてはちょっと面白いぐらいなのにねw
※「しばく」「いてまう」「どつく」などの関西弁の怖い言葉については以下の記事でまとめて紹介していますので興味のある方は合わせてご覧になって下さい。
「関西弁は怖い」というご意見に対して関西弁歴半世紀の関西人の立場から私見を述べさせて頂いております。関西弁は怖いと言われる理由を踏まえた上で、なるべく公正な立場から私個人としての考えを述べさせて頂いたつもりですので、興味のある方は是非ともご一読下さい。
「しばく」や「いてまう」よりさらに過激な暴力をふるうことを意味する言葉なのね。恐ろしい。
「いてこます」を使った例文
ここでは「いてこます」という言葉を使った関西弁の例文をいくつか紹介させて頂きます。
実際の会話を想定した例文を見て頂けば「いてこます」という言葉の意味に対する理解がさらに深まるはず。
是非とも参考になさって下さいね。
おのれは、さっきから黙って聞いとったら、なめた口ききさらしやがって。いてこますぞ。
(標準語訳:お前は、さっきから黙って聞いてたら、なめた口をききやがって。思い切り痛めつけるぞ。)
「いてこますぞ」は「いてこます」の最も標準的な使い方です。
おうおう、人の店先でなに、いちびってくれとんのじゃい。いてこましたろか。
(標準語訳:おうおう、人の店先でなにを調子に乗って大騒ぎしてくれてるんだ。思い切り痛めつけてやろうか。)
「いてこましたろか」は「いてこますぞ」に次ぐ、よくある使い方ですね。
「いてこますぞ」と「いてこましたろか」で「いてこます」の使用のされ方の8割以上を占めるものと考えます。
※「いちびる」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
「いちびる」、あるいは「いちびってる」という言葉の意味について紹介しています。さらに標準語訳付きの例文を用いて、その使い方やニュアンスなども紹介していますので、興味のある方は是非ともご覧になって下さい。いちびるがどこの方言かもわかるよ!
こらこら外野がしゃしゃり出てくんなや。一緒にいてこまされたんかい。
(標準語訳:こらこら外野がしゃしゃり出るくるなよ。思い切り痛めつけられたいんかい。)
「いてこまされる」は「いてこます」の受動態ですね。
ちなみに「いてこます」は「しばく」や「どつく」などと比べても普通の人はまず、使わない言葉です。
関西人であっても実生活では一度も聞いたことがないという方が大半ではないでしょうか。
逆に言うと普段の会話の中で「いてこます」なんて言葉を使っている人がいたとしたら、間違いなく、かなりヤバい人です。
もしも、そんな人に遭遇してしまったら、なるべく関わり合いにならず、速やかに距離をとられることを強くおすすめします。
そんなにレアな言葉なんだ。使う人に絶対に遭遇したくない。
「いてこます」はどこの方言?
「いてこます」は関西地方の方言というより大阪弁ですね。
ただし、上でも触れた通り、実際には大阪人もほとんど使うことがなく、意味を知っているだけという、かなり特殊な立ち位置の大阪弁になります。
一般的には、普段、使われない言葉というのは徐々にでも忘れられていくものだと思うのですが、その点、「いてこます」はなかなかにしぶとい感じ。
まあ、吉本新喜劇でチンピラ役のセリフとして頻繁に使われていることなんかも影響しているんでしょうが。
今後もきっと代表的な大阪弁の一つとして独特の存在感を発揮し続けてくれることと思います。
使われてないのに廃れないって、すごい話だね。
まとめ
- 「いてこます」の意味は
・思い切り痛めつける
・ボコボコにする
である。 - 「いてこます」は「しばく」「いてまう」「どつく」などと比べてもふるわれる暴力の程度が最も著しい。
- 「いてこます」は大阪弁である。
私が「いてこます」という言葉を聞いて最初に思い浮かべるのは吉本新喜劇の島木譲二さん(故人)。
というか島木さん以外、誰も思い浮かばないw
もちろん、島木さん以外のチンピラ役の方も使っているはずなんですけどね。
いずれにしても「いてこます」は、私のようなコテコテの大阪人でさえ、ほとんど耳にしたことがないほど、激レアな言葉であるということです。
以上、今回は「いてこます」という言葉の意味等のついてお伝え致しました。
当サイトでは「いてこます」以外にも様々な言葉の意味等について紹介しています。手前味噌ながら結構ためになる記事も多いと思いますので興味のある方は合わせてご覧になって下さい。