こんにちはコテコテ関西人やっせです。

先日、関東在住のクライアントとの会話の中で「僕もあんまり、ずっこいことは得意じゃないんで」と話したところ、「ずっこいって、何ですか?」と聞き返されてしまいました。えっ、「ずっこい」って関西以外では使わへんの!?これは関西弁紹介チャンスかも!

ということで、今回は関西人がよく使う「ずっこい」という言葉の意味等について紹介致します。

関西以外の方にもスッキリとご理解頂けるよう、なるべく丁寧に解説していくつもりですので興味のある方は是非とも最後までお付き合いになって下さい。

ほな、早速、行きまっせ~!

あっこちゃんあっこちゃん

「ずっこい」って聞いたことあるような気がするんだけど。どういう意味なのかしら。

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「ずっこい」の意味とは?

「ずっこい」は標準語で言うところの

ずるい

ことを意味する言葉です。

相手から卑怯なこと、裏をかくようなことをされた場合に「ずっこいわあ。」などというわけです。

なお、関西ではずるいことを意味する言葉として、「ずっこい」の他に「こすい」という言葉も使います。両者を比較した場合、個人的には「こすい」の方がちょっと、いやらしいずるさを意味するようなイメージがあります。

これは「ずっこい」の方が音的に間が抜けていて、なんとなく憎めないような印象があるからかもしれません。

ちなみに、「こすい」は「ずっこい」の語源とされています。「ずるい」の語源は擬音語の「ずるずる」であるとされていますので「ずっこい」と「ずるい」では語源が違うということです。

「ず」の部分が被っているだけに、語源についても何らかの関係性があるのだろうと思っていたのですが、全く別の語源だったとは。ちょっと意外な感じがしますよね。

まことくんまことくん

「ずっこい」と「ずるい」では語源が違うんだね。

「ずっこい」を使った例文

それでは次に「ずっこい」という言葉を使った例文をいくつか紹介したいと思います。実際の日常会話を想定した例文を見ることによって、「ずっこい」という言葉の意味に対する理解がさらに深まることになるはずですので、是非とも参考になさって下さい。

例文①

あいつはな、結構、ずっこいとこあんねん。気ぃ、つけなあかんで。
(標準語訳:あいつはね、結構、ずるいところがあるんだ。気を付けないといけないよ。)

「ずっこい」の標準的な使い方。卑怯というニュアンスを強調したい場合には「こすい」に言い換えることもできるケースです。

例文②

兄ちゃんだけ、ずっこい!僕もなんか買うて(こうて)!
(標準語訳:兄ちゃんだけ、ずるい!僕も何か買って!)

なんも、ずっこいことあれへん。あんたは先月、誕生日プレゼント買うたったやろ。
(標準語訳:何もずることないよ。あなたは先月、誕生日プレゼントを買ってあげたでしょ。)

小さい子供が兄弟等との比較の中で相手の方が贔屓されていると主張して、ごねるケース。こういうケースではあまり「こすい」とは言わないと思います。

例文③

ずっこー!そんなんありなん?
(標準語訳:ずるい!そんなのありなの?)

感嘆詞的な使い方

ちなみに「こすい」を感嘆詞的に使う場合「こっすー!」となります。こうなると、いやらしいずるさという雰囲気が逆になくなりますね。

あっこちゃんあっこちゃん

「ずっこー」もだけど、「こっすー」ってなんか、かわいい。全然、ずるいって感じがしない。

「ずっこい」はどこの方言?

「ずっこい」は近畿地方の他、東北地方中部地方東部(山梨県や静岡県など)でも使用されています。したがって、どこの方言かと言えば、それらの各地方の方言ということになります。

関西だけで使われているわけではないので狭義の意味での関西弁ということはできなさそうです。

疑問として残るのは、なぜ、「ずっこい」の使用地域がこんなに全国に散らばっているのかということです。この点については、色々と調べてみたのですが、残念ながら、その明確な理由を発見することはできませんでした。

一つ、可能性として考えられるのは、「ずっこい」はもともとは全国で広く使用されていた言葉であるということです。それが時代の変遷によって、使用しない地方が増え、結果的に近畿地方や東北地方、中部地方東部だけで使用されるという現在のような状況になったのではないでしょうか。

言語学的にはよくありそうな話ですよね。いずれにしても引き続き調査を行い、明確な理由がわかりましたら、また、この記事に追記を行いたいと思います。

まことくんまことくん

「ずっこい」は隣接しないバラバラの地方で使われているのか。なんとも不思議な話だね。

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まとめ

  • 「ずっこい」は標準語で言うところの「ずるい」ことを意味する言葉である。
  • 「ずっこい」の語源が「こすい」であるのに対し、「ずるい」の語源は擬音語の「ずるずる」である。
  • 「ずっこい」は近畿地方の他、東北地方、中部地方東部などでも使用されており、それぞれの地域の方言ということになる。

今回の考察で最も驚かされたのは、やはり「ずっこい」が関東地方を隔てて、遠く東北地方でも使われているということです。あらためて地図で確認してみると関東地方って、かなり広いですからね。そこをすっ飛ばして東北地方で使われているって、なんだか古(いにしえ)のロマンのようなものさえ感じます。

また、同じ「ずっこい」という言葉を使っているということが、わかっただけで急に東北地方に対して特別な親しみのようなものを感じるようになりました。距離は離れているけれど、言葉はご近所さんみたいな。

いつか東北地方に旅行に行った際には、東北人の口から生で「ずっこい」という言葉を聞かせてもらいたいと思います。

以上、今回は「ずっこい」という言葉の意味等についてお伝えいたしました。

あっこちゃんあっこちゃん

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