まいど、コテコテ関西人やっせです。本日は「食べり」という言葉について紹介致します。
関西に住んでいるとごく稀に耳にする「食べり」という言葉ですが、そのレアさゆえ、関西人であっても存在自体を知らないという人も結構、多いんだとか。
この記事では、そんな「食べり」と言う言葉の
・意味や
・どこの方言であるか
などについて、わかりやすさ重視でサクッと紹介させて頂きますので興味のある方は是非とも最後までご覧になって下さい。
ほな、早速、行かせてもらいまっせ~!
「食べり」ってなんだ?「食べる」の古語か何かかな。ほら中学生の時に「あり・おり・はべり・いまそかり」って、習ったじゃん。あれに近い感じがしない?
「食べり」の意味とは?
「食べり」とは
- 食べて
- 食べなさい
という意味の言葉ですね。
要するに「食べり」というのは「食べる」という言葉の命令形であるということです。
たとえばこんな感じで使います。
「うどん作ったから、伸びへんうちに食べり(標準語訳:うどんを作ったから伸びないうちに食べなさい)」。
「食べる」の命令形なんだ。たしか関西弁で「走る」の命令形を「走り」、帰るの命令形を「帰り」って言ったりするよね。それと同じような活用のさせ方をするってことなのかな。
「食べり」はどこの方言?
「食べり」という言葉を使用している地域は以下のとおりです。
- 群馬県
- 長野県
- 大阪府泉州地域
- 兵庫県姫路市周辺
- 山口県
- 福岡県
- 大分県
したがって「食べり」は上記地域の方言ということになります。
実は私自身も今回、あらためて調べてみるまで「食べり」は大阪府泉州地域だけの方言だと思っていました。
まさか、ここまで広範な地域で使用されているとは思ってもみなかったので、少々、驚いております。
それにしても使用地域の分散の仕方が謎です。
山口県・福岡県・大分県については地理的に集中していますが、それ以外の地域については完全に飛び石状態ですからね。
偶発的にこういう状態になっているだけなのか、それとも何か理由があってこういう状態になっているのか、興味の湧くところです。
なお、愛知県の三河地方では「食べり」と同義で「食べりん」という言葉が使われているそうです。
こちらの言葉も音としては「食べり」にかなり近い感じがしますが、分解すると「食べ+りん」となり言葉の作り自体が違うので、「食べり」とは別の方言であると判断しました。
群馬や長野あたりでも「食べり」なんて言ってる地域があるんだね。全く知らなかった。
「食べり」を使った例文
ここでは「食べり」という言葉を使った関西弁の例文をいくつか紹介させて頂きます。
実際の会話を想定した例文に触れることによって「食べり」という言葉の意味や使い方に対する理解がさらに深まることになると思いますので是非とも参考になさって下さい。
また、遅刻すんで。はよ、食べり。
(標準語訳:また、遅刻するよ。早く、食べなさい。)
「食べり」のオーソドックスな使い方。
ちなみに大阪でも泉州地域以外では「り」を付けることはなく、「はよ、食べ」と言います。
おばちゃん、ようさん、シュークリームこうてきたさかいにあっくんも食べりよ。
(標準語訳:おばちゃん、たくさん、シュークリームを買ってきたから、あっくんも食べてよ。)
「食べり」に命令の助詞「よ」をつけて「食べりよ」とすることもあります。
ちなみに大阪でシュークリームと言えばヒロタのシュークリーム。
でも若い子たちはもう、あんまり知らんかなあw
※「ようさん」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
まいど、コテコテ関西人やっせです。本日は「ようさん」という言葉の意味等についてご紹介致します。 先日、当方の北海道在住のクライアントから「とうもろこし」を送って頂いたんですね。 で、早速、電話を差し上げて「また、ようさん …
※「さかい」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
まいど、コテコテ関西人やっせです。本日は「さかい」という言葉について紹介致します。 全国的には「物と物が接する場所」あるいは「土地と土地の区切り目」というような意味で使われる「さかい」という言葉ですが関西の一部地域では、 …
あんた、またピーマン残しとるな。全部、食べりや。
(標準語訳:あなた、またピーマン残してるね。全部、食べなさいよ。)
「食べり」に関西弁の命令の助詞「や」をつけたパターン。
これも結構、使うと思います。
使い方はわかったけど、やっぱり、かなり違和感を感じる活用の仕方だわ。使用地域があまり拡がらなかったのもわかるような気がする。
まとめ
- 「食べり」とは
・食べて
・食べなさい
という意味の言葉である。 - 「食べり」は以下の地域の方言である。
・群馬県
・長野県
・大阪府泉州地域
・兵庫県姫路市周辺
・山口県
・福岡県
・大分県
ちなみに私にとって「食べり」と言えば高校の時の同級生T君。
彼は泉州の中心、岸和田市出身の人間で、よく学校にお菓子なんかを持ってきて私に「自分も食べりや」などと言って勧めてくれたものです。
結局、高校卒業以来、全然、会っていませんが、T君、今はどうしているんでしょうねえ。
世話好きの彼のこと、今でも会社などに色々とおいしそうなものを持っていては「自分も食べりや」などと言って勧めたりしているのかもしれません。
ちょっと、会ってみたい。いっぺん飲みにでも誘ってみよかなw
以上、今回は「食べり」という言葉の意味等についてお伝え致しました。
当サイトでは「食べり」という言葉以外にも様々な言葉の意味等についてお伝えしています。手前味噌ながら結構ためになる記事も多いと思いますので興味のある方は是非とも合わせてご覧になって下さい。