こんにちはコテコテ関西人やっせです。本日は関西弁「せやな」という言葉について紹介したいと思います。
関西人にとっては、馴染み深く、相槌を打つ際などには、ついつい使ってしまいがちなんですが、私の経験上、関東の方、相手に使って、意味が通じた試しがありません。それでも、また、うっかりと使ってしまうんですけどね。
そんな「せやな」という言葉の意味や使い方などを関西以外の方にも、すんなりとご理解頂けるよう、詳しく解説していきますので興味のある方は、是非とも最後までお付き合い下さい。
そしたら、早速、行きまっせ~!
どういう意味なんだろ。ちょっと予測がつかない。
「せやな」ってどういう意味?
「せやな」の意味は標準語でいうところの「そうだな(そうだね)」です。つまり相手の発言や提案等に対して同意する言葉ということですね。
同意をあらわす言葉としては「せやな」の他に「そやな」という言い方もしますが、両者の間に実質的な意味の違いはありません。ただし、使っている当人である関西人の感覚で言えば「せやな」の方が関西弁感は強いかもしれません。
実際、私も「せやな」で意味が通じない時に思わず、「そやな」と言い換える時がありますからね。「そやな」も関西弁やのに、ホンマ、アホですよね。
しかしながら、関東の方相手でも「そやな」は大概、通じます。たぶん、標準語「そうだな」に音が近づくからなんでしょうね。
「そうだな」の意味なのね。これは知らない限り、わかりそうにないわ。
例文で学ぶ「せやな」の使い方
ここでは「せやな」の使い方を知って頂くべく、実際の会話を想定した例文をいくつか紹介したいと思います。標準語訳もお付けしておきますので合わせて参考にして下さい。
グレーでええんちゃう?白は絶対に汚れ、目立つで。
(標準語訳:グレーでいいんじゃないの?白は絶対に汚れが目立つよ。)
せやな。俺もマメに車、洗(あろ)たりする方ちゃうからな。ほな、グレーにしとこか。
(標準語訳:そうだな。俺もマメに車を洗ったりする方じゃないからな。それじゃあ、グレーにしておこうか。)
相手の意見や提案に対して同意するという最もオーソドックスな使い方。一旦、同意した後に、さらに同意の意味を強めたり、自信の納得の度合いを深める場合「せやな。せや、せや。(そうだな。そうだ、そうだ。)」と「せや」を連発することもあります。
せやな。これでは義理が立たんわな。
(標準語訳:そうだな。これでは義理が立たないよな。)
せやろ。義理が立たんことはせん方がええで。結局、自分に返ってくるもん。
(標準語訳:そうだろ。義理が立たないことはしない方がいいよ。結局、自分に返ってくるからね。)
こちらの「せやな」も例文①とほぼ同じような使い方。後段の「せやろ」は自分がした提案に対して相手が「せやな」と同意した際に、その同意を確認する意味で使います。
※「ええで」という言葉の詳細については以下の記事をご確認下さい。
「ええで」という言葉の意味やどこの方言であるかなどについて関西弁歴半世紀の大阪人が解説しています。「ええで」を使った関西弁の例文も紹介していますので興味のある方は是非ともご覧になって下さい。
せやなあ。
(標準語訳:そうだね。)
せやなあって、あんた話、聞いてるか?私はどっちにするんやって聞いてねんで。ほんまテレビ見ながら上の空でしか聞いてへんねんから。
(標準語訳:そうだねって、あなた話、聞いてるの?私はどっちにするのかって聞いているのよ。本当にテレビを見ながら上の空でしか聞いてないんだから。)
上の空での相槌として使うパターン。標準語で上の空での相槌を打つ場合には、「うん」の方を使い「そうだな」はあまり使わないと思いますので、こちらは「せやな」独特の使い方と言えるかもしれません。
ちなみに私も嫁さん及び息子の話を「せやなあ」「せやなあ」と上の空で聴き、よくキレられています。
③のパターンを除けば、使い方は「そうだな」とほぼ同じだね。
せやなの他のバリエーション
上では「せやな」のバリエーションとして「せや、せや」や「せやろ」を紹介しましたが「せやな」には他にも様々なバリエーションがあります。ここでは、その他のバリエーションを例文を用いて紹介していきたいと思います。
※「せやな」はそもそも「せや」に助詞の「な」がついた言葉なので、より正確には「せや」のバリエーションということになります。その点、あらかじめ、ご了承下さい。
あれ、自分、髪、切ったん?
(標準語訳:あれ、君、髪を切ったの?)
せやねん。切りすぎてしもてん。ちょっと、変やろ。
(標準語訳:そうなの。切りすぎちゃったのよ。ちょっと、変でしょ。)
相手からの疑問に対して「イエス」の意を表する場合に「せやねん」と答える。ちなみに「せやねん」は関西では漫才コンビ、トミーズの長寿テレビ番組名としても知られています。
やっぱり、犯人あいつ、やったわ。
(標準語訳:やっぱり、犯人はあいつ、だったわ。)
せやろな。俺は最初からあいつが、あやしいと思てたわ。
(標準語訳:そうだろうね。俺は最初からあいつが、あやしいと思っていたんだよ。)
「せやろ」に助詞「な」をくっつけて使うパターン。例文のように自分の予想力、推理力を誇る場面でよく使います。
あいつ、今月いっぱいで会社、やめるらしいで。
(標準語訳:あいつ、今月いっぱいで会社をやめるらしいよ。)
せなんや。なんで?
(標準語訳:そうなんだ。なんで?)
いや、理由はようわからへんけどな。
(標準語訳:いや、理由はよくわからないけどね。)
「せなんや」は、まあまあ、レアな表現。一部の年配の方が使うだけで、ほとんどの人は「そうなんや」の方を使います。
※「わからへん」という言葉の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
「わからへん」「わかれへん」「わからん」という言葉の違いについて、関西弁歴50年の大阪のおっちゃんが解説しています。関西人自身も意外と知らない事実を明らかにしていますので興味のある方は是非ともご覧になって下さい。
自分は、なんで弟をたたくんや。
(標準語訳:あなたは、なぜ弟をたたくの。)
せやかて、あいつが勝手に僕のゲーム、使っててんもん。
(標準語訳:だって、あいつが勝手に僕のゲームを使っていたんだもん。)
「せやかて」は反論するための、理由・根拠を述べる際に使う表現。
例文じゃないですが、私も子供の頃、悪いことをしては親から怒られるたびに「せやかて」と言い訳をしようとしてました。言い訳が認められたことは、なかったですけどね。(笑)
やばい、宿題、まだ終わってない。
(標準語訳:やばい、宿題がまだ終わってない。)
せやから、先にやっときて、言うたやろ。
(標準語訳:だから、先にやっときなさいって、言ったでしょ。)
「せやから」は相手の発言を順接で受けて、自分の考えや意見を述べる際に使う表現。相手が失敗したことや、後悔していることを口にしたときに、それに対して説教じみたことを言う際に使うことが多いです。
ものすごく色んな使い方をするのね。関東人にとっての「そうだな(そうだね)」より、はるかに使用頻度が高そう。
まとめ
- 「せやな」の意味は標準語でいうところの「そうだな(そうだね)」
- 「せやな」は相手の意見や提案に対する同意や上の空での相槌をする際などに使用される。
- 「せやな(せや)」のバリエーションとしては「せや、せや」「せやろ」「せやろな」「せやねん」「せなんや」「せやかて」「せやから」などがある。
ちなみに関西人と言えども、あまり親しくない人や目上の人を相手に「せやな」と言う言葉を使うことは、まず、ありません。たとえば初対面の人や会社の上司などが相手であれば標準語「そうだな」の丁寧語バージョン「そうですね」を使ったりします。あっ、もちろんイントネーションは微妙に違うんですけどね。
だから、もしもあなたが仲良くなりたいと思っている関西人があなたの意見や提案に対して「せやな」と同意してきたら「あっ、この人、私にある程度、親しみを感じてくれているのかも」と判断してもらってもいいかもしれません。その「せやな」に対して、さらに、あなたが「せやろ」と返したら、お目当ての関西人は益々、あなたに対して親しみを感じるようになることでしょう。知らんけどね。(笑)
以上、今回は関西弁「せやな」の意味等についてお伝え致しました。
当サイトでは関西弁を中心に色んな言葉の意味等ついて紹介しています。結構、面白いものも多いので、興味のある方は合わせてご覧になって下さいね。