まいど、コテコテ関西人やっせです。本日は関西人がよく使う「せん」という言葉についてお伝えいたします。
先日、クライアントから業務対応についての質問があり、当方から「そこまでせんでいいんじゃないですか」と回答したところ、やや、間があって「すいません、どっちですかね?」と重ねて質問がありました。
やってしまいました。どうやら「せん」という言葉の意味がよくわからなかったようです。
ひょっとして、これも関西弁なのでしょうか?
そこで、今回「せん」という言葉について、あらためて、しっかりと調べて見た上で、紹介しようと考えたわけです。
「せん」という言葉をはじめて聞いたという方にもスッキリとご理解頂けるよう、丁寧に、なおかつ、ユーモアを持って解説させて頂くつもりですので興味のある方は是非、最後までお付き合い下さい。
ほな、早速、行かせてもらいまっせ~!
意味合い的には、なんとなく想像がつくけど聞いたことないな。どこの方言なんだろう。
「せん」の意味とは?
関西において使用される「せん」の意味は次のとおりです。
- (否定の意味での)しない
- (誘う意味での)~しない?
標準語でも否定の意味で「~しません」と言ったり、相手を誘う意味で「~しません?」と言ったりしますよね。
関西では、その「しません」のうち「せん」の部分だけを取り出して使っていると考えてもらうとわかりやすいかもしれません。
ちなみに関西の中でも近畿地方においては「せん」と同じ意味で「せえへん(せーへん)」という言葉も使用します。
文章の流れなどによって、どちらかを使うことになるわけですが、使用頻度としては「せえへん」の方が、かなり高いと思います。
なるほど「せん」2文字で標準語の「しません」とほぼ、同じ役割を果たすことになるわけね。
「せん」を使った関西弁の例文
ここでは「せん」という言葉を使った関西弁の例文をいくつか紹介致します。実際の会話を想定した例文を見ることによって「せん」という言葉の意味に対する理解がさらに深まることになると思いますので是非とも参考にして下さい。
お願いやから、いらんことせんといてや。あんたが関わるとろくなことないんやから。
(標準語訳:お願いだから、いらないことをしないでね。あなたが関わるとろくなことがないんだから。)
「せん」を否定の意味で使っている例文。
ちなみに関西ではいらないことをしがちな人のことを「いらんことしい」と言います。
いくらうちの息子でも、そこまでアホなことはせんわ。
(標準語訳:いくらうちの息子でも、そこまでバカなことはしないわ。)
これも「せん」を否定の意味で使っている例文。
私も口にせずとも同じようなことを考えて、何度、裏切られたことかw
ワシは絶対にそんなことせんで。よそに頼み。
(標準語訳:私は絶対にそんなことしないよ。よそで頼んで。)
頑固な河内のおっさんが町内会の世話役になることを断る際のセリフ。
近畿地方でも年輩の男性は「せえへん」より「せん」を好んで使う人が割と多いかも。
花火せん?今日、うちのお父ちゃんがよーさん、こうてきてん。
(標準語訳:花火しない?今日、うちのお父さんがたくさん、買ってきたんだ。)
「~しない?」と誘う意味で「せん」を使っている例文。
この意味での「せん」は「鬼ごっこせん?」といった感じで名詞にくっつけた形で使うのが基本。
ちょっとだけ、遠回りせん?実は、折り入って相談したいことがあるんよ。
(標準語訳:ちょっとだけ、遠回りしない?実は折り入って相談したいことがあるんだ。)
これも誘う意味で「せん」を使っている例文。
ちなみに私は、こういった誘いは100%断ります。はい、ややこしい相談は苦手なのですw
この言葉に関しては例文が大いに助かるな。おかげで随分と理解が進んだよ。
「せん」はどこの方言?
否定もしくは誘う意味での「せん」という言葉を使用している地域は次のとおりです。
- 中部地方(愛知県・岐阜県・福井県など)
- 近畿地方(京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県など)
- 中国地方(岡山県・広島県・山口県など)
- 四国地方(香川県・徳島県など)
- 九州地方(福岡県・大分県など)
上記のような使用状況を考えれば、「せん」は西日本のほぼ全域の方言ということになりそうです。
ただし、たとえば近畿地方では「せん」よりも「せえへん」の方が頻繁に使用されるなど、使用状況や使用方法は各地方によって、多少なりとも違いがあるようです。
あくまでざっくりと西日本のほぼ全域の方言と申し上げているだけですので、その点、ご了承下さい。
これもまた、西日本全域の方言なのね。
まとめ
- 関西において使用される「せん」の意味は
・(否定の意味での)しない
・(誘う意味での)~しない?
である。 - 近畿地方においては「せん」と同じ意味で「せえへん(せーへん)」という言葉も使用されている。
- 否定もしくは誘う意味での「せん」という言葉は東は中部地方から西は九州地方まで西日本の広い範囲で使用されている。
ちなみに私の個人的な感覚だと「せん」と「せえへん」を比較すると特に否定の意味に使う場合、「せん」の方がきっぱりと否定しているような印象があります。
たとえば「そんなことはせん」と言う場合と「そんなことはせえへん」と言う場合では前者の方が、きつく「しない」と断言しているような感じがするんですよね。
そういう意味では、自分の確固たる決意を表明したい場合などには「せん」の方がふさわしいし、人からの誘いを角を立てずに断りたい場合などには「せえへん」の方をふさわしいのかもしれません。
まあ、これは私の個人的な感覚に過ぎない話なので、あくまでご参考までに。
以上、今回は「せん」という言葉の意味等についてお伝えいたしました。
当サイトでは「せん」以外にも様々な言葉の意味等についてご紹介しています。興味のある方は是非、合わせてチェックしてみて下さいね。