以前、小学生の50メートル走の平均タイムを調べるために色んなデータをチェックしていたら体力測定の種目に「立ち幅跳び」というのがあるのが目に止まりました。
その名称から何をするのかは、わかるんですが、私自身が一度もやったことがない。
私が体力測定でやったのは、走り幅跳びの方でしたからね。
しかしながら考えて見れば、体力測定の種目として適切なのは走り幅跳びより、立ち幅跳びの方なのかもしれません。
立ち幅跳びであれば、走り幅跳びのように踏み切りのミスで、本来の跳躍力を全く反映しないような悲惨な記録に終わってしまうこともありませんので。
うん、よく考えれば、なかなか合理的な種目選択と言えます。
そんなことをあれこれと考えていたら、段々に立ち幅跳びというものに興味が湧いてきました。
そこで、今回は立ち幅跳びの小学生の平均記録について少し詳しく、調査してみたいと思います。
色んな角度から少し深堀して検討していきたいと思いますので、興味のある方はしばらくのお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
私も走り幅跳びの経験しかないわ。
走り幅跳びと立ち幅跳びでは、どれくらい記録が異なるものなのかしら。
小学生の立ち幅跳びの平均記録
令和2年に実施された体力・運動能力調査における小学生の学年別・男女別の立ち幅跳びの平均記録は次のようなものでした。
学年別立幅跳び平均記録一覧 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
小学1年生(7歳) | 128.87cm | 121.75cm |
小学2年生(8歳) | 138.60cm | 129.89cm |
小学3年生(9歳) | 148.84cm | 143.71cm |
小学4年生(10歳) | 156.87cm | 149.20cm |
小学5年生(11歳) | 166.85cm | 158.10cm |
小学6年生(12歳) | 185.27cm | 166.70cm |
男子については小学1年生から5年生までは毎年、10cmづつ程度の伸びですが、5年生から6年生にかけては一気に18.42cmも伸びています。
この頃が身体的・体力的に大きく成長する時期にあたっているものと予測されます。
女子については小学2年生から3年生にかけての伸びが最も大きく、その後は徐々に伸び幅が小さくなっていく様子がうかがえます。
その結果、小学1年生の時には7.12cmしかなかった男女間の平均記録の差が、小学6年生の時には18.57cmにまで広がることになります。
立ち幅跳びの記録の伸び方って身長の伸び方に比例していそう。
両者の間にはかなり明確な相関性があるのかもしれないね。
立ち幅跳びの記録を伸ばすコツ
立ち幅跳びの記録を伸ばすコツとしては
- 足だけで跳ぼうとするのではなく、腕を大きく振って体全体を使って跳ぶ。
- バネをしっかりと使えるように膝を深く曲げる。
- 跳んだ後、着地点を少しでも遠くに持っていけるように膝を引き寄せる。
- 後ろに倒れることがないよう、なるべく重心を前に持っていく。
といったものがあります。
これらのコツを実践を通してわかりやすく解説してくれている動画がありましたので、立ち幅跳びの記録を伸ばしたいという方は是非、一度、ご覧になって下さい。
言われてみれば、当たり前のコツばかりのような気もするけど、効果はありそう。
是非、試してみてね。
立ち幅跳びの記録、昔の小学生と比べると?
それでは次に小学生の立ち幅跳びの平均記録の推移傾向を知るべく、少し、昔の小学生の記録との比較を行ってみましょう。
ここでは政府が運営する統計データサイト、e-Statで公開されているうちで最も古いデータである平成11年度の小学生の立ち幅跳びの記録との比較を行うこととします。
学年別立幅跳び平均記録一覧 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
小学1年生(7歳) | 130.08cm | 118.63cm |
小学2年生(8歳) | 139.48cm | 129.40cm |
小学3年生(9歳) | 149.15cm | 139.43cm |
小学4年生(10歳) | 158.82cm | 148.26cm |
小学5年生(11歳) | 168.94cm | 155.38cm |
小学6年生(12歳) | 182.57cm | 162.04cm |
男子については小学1年生から5年生までは平成の小学生の記録が上回っていますが、小学6年生時には令和の小学生が逆転します。
女子については全学年で令和の小学生の記録が上回っています。
小学生の立ち幅跳びの平均記録の比較に関しては男子については6年生時に逆転されるものの全般的には平成の小学生が優勢、女子については令和の小学生が優勢と結論づけることができそうです。
なぜ、男子と女子でこういったねじれ現象が生じているのでしょうか。
理由はよくわかりませんが、ちょっと、不思議な気がしますね。
男子と女子でほぼ逆の結果になっているのか。
それにしても男子の小5から小6の記録の伸びは本当にすごいね。
運動部への所属の有無の影響は?
次に運動部やスポーツクラブ等に所属している小学生とそうでない小学生の立ち幅跳びの平均記録の比較を行います。
まずは男子についての比較です。
男子/学年 | 運動部等に所属している | 運動部等に所属していない |
---|---|---|
小学1年生(7歳) | 131.36cm | 126.02cm |
小学2年生(8歳) | 140.99cm | 134.53cm |
小学3年生(9歳) | 150.99cm | 143.44cm |
小学4年生(10歳) | 160.42cm | 148.92cm |
小学5年生(11歳) | 167.81cm | 164.98cm |
小学6年生(12歳) | 186.63cm | 179.90cm |
次に女子についての比較です。
女子/学年 | 運動部等に所属している | 運動部等に所属していない |
---|---|---|
小学1年生(7歳) | 124.51cm | 119.93cm |
小学2年生(8歳) | 134.68cm | 126.23cm |
小学3年生(9歳) | 146.02cm | 141.68cm |
小学4年生(10歳) | 152.98cm | 145.66cm |
小学5年生(11歳) | 161.14cm | 156.15cm |
小学6年生(12歳) | 172.38cm | 153.99cm |
全学年、男子女子共に運動部等に所属している小学生の記録がそうでない小学生の記録を上回っています。
まあ、この点に関しては予測通りの結果ですね。
特に小学校6年生の女子は運動部等に所属している者とそうでない者の平均記録の差が18.39cmにもなっています。
女子の場合、小学6年生ともなると外で遊ぶ機会が減る傾向にあるので、運動部等に所属ている者とそうでない者の差が、一層、大きくなるのかもしれません。
50メートル走や握力の平均以上に立ち幅跳びの平均は運動部等に所属している人とそうでない人の差が大きいような気がするわ。
ひょっとすると立ち幅跳びは筋力以上に「体の使い方」が記録に大きく影響する種目だからかもしれないわね。
やはり、普段から運動していないと体をうまく使うことは難しいもの。
※立ち幅跳びについて世代別の記録については、こちらの記事でまとめています。
お子さんだけでなく、ご自身の世代の記録もチェックできますので、合わせてご覧になって下さい。
まとめ
- 小学生男子の立ち幅跳びの記録は小学1年生から6年生までの間に128.87cmから185.27cmまで伸びる。
小学生女子の立ち幅跳びの記録は小学1年生から6年生までの間に121.75cmから166.70cmまで伸びる。
男子と女子の平均記録の差は5年間で7.12cmから18.57cmにまで拡がることになる。 - 立ち幅跳びの記録を伸ばすコツとしては
①腕を振って体全体で跳ぶ
②跳ぶ直前、膝を深く曲げる
③跳んだ直後、膝をグッと引き寄せる
④重心を前に持っていく
ことなどを挙げることができる。 - 平成の小学生と令和の小学生の立ち幅跳びの平均記録を比較すると男子については概ね、平成の小学生の平均記録の方が上回っている。
女子については全学年で令和の小学生の平均記録が上回っている。 - 運動部等に所属している小学生とそうでない小学生で立ち幅跳びの平均記録を比較した場合、運動部等に所属している小学生の平均記録の方が上回っている。
今回も色々と勉強になったわ。
せっかく記録を伸ばすコツも教わったことだし、私も機会があったら立ち幅跳びに挑戦してみようっと。
ちなみに他の平均についてもあれこれ記事にしていますので、合わせてチェックしてみて下さいね。
⇒色んな平均の記事一覧