今回は成人女性の握力の平均についてお伝えしていきます。
前回の成人男性の握力の平均の調査では、ここ20年ほどの間で20代から40代の成人男性の握力が大きく低下しているという少し残念な事実が判明したわけですが、成人女性の方はどうなんでしょうか。
昨今、「昔に比べて女性は強くなった」という言い方がされることが多いですが、それは精神面に限らず、体力面にも言えることなのか大いに気になるところですよね。
それでは、前置きはさておき、早速、成人女性の握力の平均について詳細に確認して参りましょう!
成人女性の握力の平均はズバリ
令和2年度に実施された体力・運動能力調査での成人女性の握力の平均は以下のとおりです。
年代 | 握力の平均(令和2年度) |
---|---|
20歳~24歳 | 27.37キロ |
25歳~29歳 | 27.43キロ |
30歳~34歳 | 28.76キロ |
35歳~39歳 | 28.49キロ |
40歳~44歳 | 28.20キロ |
45歳~49歳 | 28.30キロ |
50歳~54歳 | 27.86キロ |
55歳~59歳 | 26.90キロ |
60歳~64歳 | 26.56キロ |
上記の結果を見るかぎり、成人女性の場合、30代~40代が握力のピークということになりそうです。
これは恐らく、女性は、この年代の頃が家事に育児に仕事にと最も忙しく、体力がないと、とても乗り切ることができないからかもしれません。
スーパーなんかでも、子供さんをだっこしながら、両手に大きな荷物を抱えているような、めちゃくちゃハードな状況のお母さんをよく見かけますもんね。
まさに、やむにやまれぬ必要に迫られて強い握力を身につけているものと考えられます。
もう一つ、特徴的な点を挙げるとしたら女性の場合、60代に突入しても握力の平均が、あまり下がらないということです。
男性の場合50代後半と60代前半の握力の平均は、それぞれ45.43キロと42.38キロとなっており、60代になると握力が3キロ以上も落ち込むことになるのですが、女性の場合、わずか0.34キロ、低下するだけです。
やはり女性はいくつになっても元気で衰え知らずな生き物と結論付けることができそうですね。
20年前の女性の握力は?
次に成人女性の握力の推移傾向を知るべく、少し昔の成人女性の握力の平均をチェックしてみましょう。
ここでは政府が運営する統計データサイトより、平成11年度の体力・運動能力調査における成人女性の平均握力を掲載したいと思います。
年代 | 握力の平均(平成11年度) |
---|---|
20歳~24歳 | 29.44キロ |
25歳~29歳 | 29.56キロ |
30歳~34歳 | 30.23キロ |
35歳~39歳 | 30.57キロ |
40歳~44歳 | 30.58キロ |
45歳~49歳 | 29.69キロ |
50歳~54歳 | 28.32キロ |
55歳~59歳 | 27.04キロ |
60歳~64歳 | 25.64キロ |
令和2年度のデータと比較してもらえればわかるとおり、成人女性の場合、20代から50代までの全年代において平均握力が低下していることになります。
特に20代から40代については2キロ程度と低下幅も大きいですよね。
前回の記事でお伝えしたとおり、成人男性についても20代から40代が平均握力の低下幅が3キロから5キロ程度と大きくなっています。
その意味では男女問わず、20代から40代の人は他の世代の人以上に体力の維持・増進を心がけるべきと言えるかもしれません。
この比較でも辛うじての救いは60代前半の女性の握力の平均が上昇していることです。
女性についても熟年層が益々、元気になっているということですね。
そっか、成人女性も握力の平均が落ちてるんだ。ちょっと意外。
たしかにちょっと、意外な感じがするよね。今はものすごく元気な女性が多いから。いろいろな部分で生活が便利になっていることが影響しているのかもしれないね。
運動部員は握力が強い?
次に何らかの運動部やスポーツクラブに所属している人とそうでない人の握力の平均の差をチェックしてみましょう。
令和2年度、実施分の体力・運動能力調査によると運動部等に所属している人とそうでない人の握力の平均は、それぞれ以下のような結果になっています。
年代 | 運動部等に所属している | 運動部に所属していない |
---|---|---|
20歳~24歳 | 29.94キロ | 26.92キロ |
25歳~29歳 | 27.58キロ | 27.47キロ |
30歳~34歳 | 30.13キロ | 28.62キロ |
35歳~39歳 | 29.59キロ | 28.26キロ |
40歳~44歳 | 30.28キロ | 27.97キロ |
45歳~49歳 | 30.52キロ | 28.08キロ |
50歳~54歳 | 27.73キロ | 27.80キロ |
55歳~59歳 | 27.50キロ | 26.70キロ |
60歳~64歳 | 27.07キロ | 26.03キロ |
ほぼ全ての年代において運動部等に所属している人の握力の平均の方が上回っていることになります。
50代前半だけは、運動部等に所属していない人の握力の平均の方が上回っていますが、わずか0.07キロの差なので誤差の範囲と考えて良いでしょう。
まあ、普通に考えれば予想通りの結果ということになると思いますが、こうなると成人男性の方で、運動部等に所属している人とそうでない人の間で握力の差がほとんどないことの理由が益々、気になってきます。
一体、何が原因なのでしょうか。
本当になぞです。
運動部等に所属している女性は40代後半が最も握力の平均が高いっていうのが妙に納得がいく気がする。ママさんバレーとかでも、その年代あたりは、ものすごく元気な方が多いもんね。
握力平均との差異計算フォーム
あなたの握力と世代ごとの平均との差を把握できる計算フォームを用意致しました。
電卓があればできる簡単な計算ではありますが、せっかく作りましたので、是非ご利用になって下さい。
やったー、私、プラス20キロ!
えっ、マジで?あっこちゃん、見かけによらず力めちゃくちゃ強いんだね。気をつけよ。
まとめ
- 成人女性の握力平均のピークは30代から40代である。
- 女性の場合、男性と比べると60代以降の握力の低下傾向はゆるやか。
- 20代から50代の成人女性の平均握力は約20年前から比べて低下している。
特に20代から40代の女性については低下幅が2キロ程度とその傾向が顕著。 - 女性の場合、運動部等に所属している人とそうでない人では前者の方が明確に握力の平均が高い。
男女ともに若年層は握力の平均が低下する傾向にあるのに、60代以降では逆に男女ともに握力の平均がアップしているというのが、なんだか今の時代を象徴しているような気がするなあ。僕自身も含めて若い世代の人間は年配の人の元気に負けないようにしないと。
ちなみに他の平均についてもあれこれ記事にしていますので、合わせてチェックしてみて下さいね。
⇒色んな平均の記事一覧