前回、小学生の立ち幅跳びの平均記録について紹介致しましたが、やはり、平均記録の推移を見ていると、この記録が今後、年齢を重ねるに連れてどのように変化していくのかについて興味が出てきてしまいました。
そこで今回は確認しうる全年代の立ち幅跳びの平均記録のデータを年齢別男女別に掲載し、その変化を確認しつつ、さらに深く検討することと致します。
きっと前回以上に様々な発見があるかと思いますので、興味のある方は是非、最後までお付き合いになって下さい。
それでは、早速、検討を開始致しましょう。
やっぱり、年齢別に平均記録を並べて、その変化をチェックする方が、発見も多くなるはずよね。
小学生の立ち幅跳び平均記録
前回の記事でお伝えした内容ではありますが、情報の一覧性を高めるため、小学生の立ち幅跳びの平均記録についてあらためて掲載しておきます。
令和2年度に実施された体力・運動能力調査での小学生の立ち幅跳びの平均記録は以下の表のとおりです。
学年別立幅跳び平均記録一覧 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
小学1年生(7歳) | 128.87cm | 121.75cm |
小学2年生(8歳) | 138.60cm | 129.89cm |
小学3年生(9歳) | 148.84cm | 143.71cm |
小学4年生(10歳) | 156.87cm | 149.20cm |
小学5年生(11歳) | 166.85cm | 158.10cm |
小学6年生(12歳) | 185.27cm | 166.70cm |
小学1年生から6年生にかけて男子については56.4cm、女子については44.95cm、立ち幅跳びの平均記録が伸びていることになります。
なお、小学生の立ち幅跳びの平均記録のさらなる詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
立ち幅跳びの記録を伸ばしたい人は下の動画をチェックしてみて。
コツさえわかれば10cmや20cmぐらいは簡単に記録を伸ばせるはずだよ!
中学生の立ち幅跳び平均記録
令和2年度に実施された体力・運動能力調査での中学生の立ち幅跳びの平均記録は以下の表のとおりです。
学年別立幅跳び平均記録一覧 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 203.32cm | 173.87cm |
中学2年生(14歳) | 215.88cm | 175.80cm |
中学3年生(15歳) | 216.35cm | 172.33cm |
男子については小学6年生から中学1年生にかけて18.05cm、中学1年生から2年生にかけては12.56cm、立ち幅跳びの平均記録が伸びていて、この時期の体力的な成長の大きさをうかがい知ることできます。
中学2年生から3年生にかけての平均記録の伸びはわずか0.47cmにとどまりますが、これは受験勉強による運動不足が原因なのでしょう。
女子については小学6年生から中学1年生にかけて平均記録が7.17cm伸びますが、中学1年生から2年生にかけての伸びは1.93cmにとどまります。
結果的に女子の立ち幅跳びの平均記録は中学2年生時の記録がピークとなり、中学2年生から3年生にかけては受験勉強の影響もあって逆に平均記録が3.47cm、低下することになります。
たしか女子は50メートル走の平均記録のピークも中学2年生だったわよね。
やはり跳んだり、走ったりするには女性として成長しきる前の身軽なうちの方が有利と言うことなのかしら。
高校生の平均記録
令和2年度に実施された体力・運動能力調査での高校生の立ち幅跳びの平均記録は以下の表のとおりです。
学年別立幅跳び平均記録一覧 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 224.02cm | 173.26cm |
高校2年生(17歳) | 229.44cm | 171.83cm |
高校3年生(18歳) | 223.70cm | 164.81cm |
男子については高校入学後も2年生まで立ち幅跳びの平均記録が伸び続けていますね。
高校2年生から3年生にかけては、おそらくは受験勉強の影響で平均記録が低下。
男子については立ち幅跳びの平均記録の低下は、この時がはじめてとなります。
女子については中学3年生から高校1年生にかけては、わずかながら平均記録が伸びますが、以降は低下します。
特に高校2年生から3年生にかけては、受験勉強の影響もあるのでしょうが、7.02cmと結構、大きな低下幅となっています。
男子・女子共に高校2年生から3年生にかけての平均記録の低下幅が結構、大きいなあ。
やはり、運動する機会の多い・少ないは体力に大きく影響するものなんだね。
大学生の平均記録
令和2年度に実施された体力・運動能力調査での大学生の立ち幅跳びの平均記録は以下の表のとおりです。
※体力・運動能力調査では20歳以降については5歳ごとの年齢幅で立ち幅跳びの平均記録が算出されています。
そのため、大学2回生、3回生、4回生の平均記録については、20歳~24歳の人の平均記録を掲載しております。
つまり、平均記録のもとになっている標本の中に大学生年齢に該当しない23歳や24歳の人が含まれておりますので、その点、ご承知おき下さい。
学年別立幅跳び平均記録一覧 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
大学1回生(19歳) | 221.55cm | 167.02cm |
大学2回生、3回生、4回生(20歳~24歳) | 230.71cm | 168.96cm |
男子については高校3年生から大学1年生の間にさらに平均記録が低下しますが、その後、再び上昇し大学2回生~4回生(実際には20歳~24歳の区分)時点で立ち幅跳び平均記録のピークに達します。
女子については高校3年生から大学1回生、大学1回生から2回生、3回生、4回生区分まで立ち幅跳びの平均記録が上昇しますが、ピーク時の記録に達することはありません。
男子については20歳~24歳の区分で平均記録のピークが来るんだね。
50メートル走のピークは17歳だったけど、3年ほどずれるのか。
立ち幅跳びの方が純粋に筋力がものをいう種目なのかもしれないね。
大人の平均記録
令和2年度に実施された体力・運動能力調査での大人の立ち幅跳びの平均記録は以下の表のとおりです。
年代別立幅跳び平均記録一覧 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
①20~24歳 | 230.71cm | 168.96cm |
②25~29歳 | 218.95cm | 164.93cm |
③30~34歳 | 214.67cm | 157.36cm |
④35~39歳 | 210.56cm | 153.55cm |
⑤40~44歳 | 202.27cm | 151.34cm |
⑥45~49歳 | 196.81cm | 148.66cm |
⑦50~54歳 | 191.53cm | 138.52cm |
⑧55~59歳 | 187.29cm | 136.67cm |
⑨60~64歳 | 177.53cm | 130.11cm |
先にも触れた通り、体力・運動能力調査では20歳以降については5歳ごとの年齢幅で平均記録が算出されています。
見てのとおり、男性・女性共に20~24歳以降、立ち幅跳びの平均記録が一方的に低下していくことになります。
男性については①から②の区分では低下幅が大きいものの、その後の低下幅は小さいものとなり、⑧から⑨の区分で再び、低下幅が大きくなります。
女性については①から⑨の区分に至るまで低下幅は概ね小さいのですが、⑥から⑦の区分では低下幅が大きくなります。
低下幅が大きい時期は、何らかの身体的な変化があって、体力の低下が大きくなるものと予測されます。
なお、65歳以降については立ち幅跳びは体力・運動能力調査における調査対象となっていません。
立ち幅跳びは高齢者にとってはあまりに膝等への負担が大きくケガの原因にもなりかねませんので、当然の配慮と言えるでしょう。
65歳以降の平均記録のデータはないんだ。
でも、まあ、それは、そうよね。
うちのおじいちゃんやおばあちゃんが跳ぶところなんて想像するだけでも怖いもの。
アスリートの立ち幅跳びの記録
ここから先はちょっと余談になります。
以前、テレビか何かの企画でアテネオリンピック、男子ハンマー投げ、金メダリストの室伏広治が立ち幅跳びで360cmという、当時の公式世界記録347cmを上回る、大ジャンプを見せたことがあるらしいです。
一般男性の平均記録のピーク、230.71cmを130cmほども上回っているわけですから、とんでもない身体能力ですよね。
で、そのことをきっかけにアスリートの身体能力のすごさを検証するべく、アスリートの立ち幅跳びの平均記録のようなものが、存在しないか色々と調べてみたのですが、残念ながら、そのようなデータは存在しないようです。
しかしながら、その調査過程で一つ、面白い情報を得たので、それをこちらで紹介しておきたいと思います。
現在の立ち幅跳びの世界記録保持者がなんと現役のNFL選手だというのです。
世界記録保持者の名前はバイロン・ジョーンズ。
マイアミ・ドルフィンズでコーナーバックとして活躍するスター選手です。
その彼がドラフト候補生のスカウトテストにおいて立ち幅跳びで374cmという世界記録を叩きだしたんだとか。
アメフトで跳躍のトレーニングなんてすることはないでしょうから、生まれ持っての身体能力だけで、これだけの記録を出したんだと思います。
本当にとんでもない身体能力ですよね。
やはりトップアスリートというのは普通では考えられないバケモノ揃い。
もしも立ち幅跳びの測定会でも実施したら、それこそ、平均記録が3メートルを大きく超えるようなことになるのかもしれません。
やっぱりトップアスリートの身体能力というのはものすごいものなんだね。
374cmって、小さな川ぐらいなら、助走なしで飛び越えてしまえるってことだもんね。
まさに超人だよ。
まとめ
- 小学生男子の立ち幅跳びの平均記録は1年生時、128.87cmから6年生時185.27cmまで56.4cm伸びることになる。
- 小学生女子の立ち幅跳びの平均記録は1年生時、121.75cmから6年生時166.70cmまで44.95cm伸びることになる。
- 中学生男子の立ち幅跳びの平均記録は中学2年時まで順調に伸びるが中学3年生にかけての伸びは小さなものとなる。
- 中学生女子の立ち幅跳びの平均記録の伸びは中学1年生以降鈍化。
中学2年生時にピークを迎え、3年生時には低下する。 - 高校生男子の立ち幅跳びの平均記録は高校2年生まで順調に伸びるが高校3年生にかけて低下する。
- 高校生女子の立ち幅跳びの平均記録は、高校1年生時には少しだけ上昇するが、その後は年々、低下する。
特に高校3年生時の低下幅は大きくなる。 - 大学生男子の立ち幅跳びの平均記録は1回生時には低下するが2回生~4回生時には上昇しピークを迎える。
- 大学生女子の立幅跳びの平均記録は高校3年生時の大幅な低下を取り戻すかのようにわずかながら上昇する。
- 大人の男性の立ち幅跳びの平均記録は年齢を重ねるごとに低下する。
特に20~24歳から25~29歳までと55~59歳から60~64歳までの区分の低下幅は大きい。 - 大人の女性の立ち幅跳びの平均記録は年齢を重ねるごとに低下する。
特に45~49歳から50~54歳までの区分の低下幅は大きい。
やっぱり、年齢別男女別の平均記録を並べて俯瞰してみると発見できることが増えるね。
立ち幅跳びの年齢別の平均記録の推移は50メートル走に似ているんじゃないかな。
男女差は50メートル走以上に大きいけどね。