ここのところ小学生の体力について様々な角度から検討していますが、どうやら最近の小学生は体力が落ちてきているというのは私の思い込みだった模様。
平成などの一時期に比べれば、50メートル走や立幅距離などに見る瞬発力的な体力はむしろかなり、アップしてきているようです。
それでは持久力的な体力はどうなのでしょうか?
交通網の拡大や電動自転車の普及などといった事情を考えれば、持久力については低下している可能性も十分にありえ、その点、非常に気になるところです。
そこで今回は小学生の持久力について知るべく、持久力を測定する体力測定種目、小学生のシャトルランの平均回数について調査したいと思います。
今回も様々な角度から今どきの小学生のシャトルランの平均回数について検討を加えていきたいと思いますので、興味のある方は是非、最後までお付き合い下さい。
それでは早速、調査を開始して参りましょう。
シャトルランってどんな種目だったけ?
たしか反復横跳びの距離が長い版だったような記憶があるけど、正確なところが思い出せないわ。
合図音に合わせて20メートルの距離を行ったり、来たりしてその回数を測定する種目だね。
約1分単位で合図音が速くなるので、後半になればなるほど体力的にきつくなる、結構、過酷な種目なんだ。
小学生のシャトルラン平均回数は?
令和2年度に実施された体力・運動能力調査での小学生のシャトルランの平均回数は以下の表のとおりです。
※()内は前年度の回数との増減比率。
なお、数値は小数点以下第3位を四捨五入しています。
学年 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
小学1年生(7歳) | 29.91回 | 22.91回 |
小学2年生(8歳) | 37.03回(1.24倍) | 31.02回(1.35倍) |
小学3年生(9歳) | 45.42回(1.23倍) | 36.64回(1.18倍) |
小学4年生(10歳) | 53.60回(1.18倍) | 41.89回(1.14倍) |
小学5年生(11歳) | 56.54回(1.05倍) | 46.49回(1.11倍) |
小学6年生(12歳) | 69.90回(1.24倍) | 51.78回(1.11倍) |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
男子女子共に学年が上がる度に順調に平均回数が伸びています。
男子については小学1年生から2年生、および小学5年生から6年生が回数の増加率が高く、小学4年生から5年生にかけては逆に増加率が低くなっています。
女子については小学1年生から2年生にかけての回数の増加率が目立って高くなっています。
小学校の低学年の間って、そんなに男子と女子で体力差がないような気がしていたけど、実際には低学年の間から結構、大きな体力差があるものなんだね。
シャトルランの回数を伸ばすコツ
ここではシャトルランの回数を伸ばしたいというあなたのために、シャトルランの回数を伸ばすためのコツをわかりやすく教えてくれている動画を紹介しておきましょう。
シャトルランの回数を伸ばすためには原則的に日々、走り込むなどして持久力をアップしていく必要があるわけですが、体力測定の際にちょっとしたことを心がけるだけでも簡単に10回ぐらい、回数を伸ばすことができてしまったりします。
この動画では、そのあたりのコツを解説してくれていますので、是非、時間をとってご覧になって下さい。
シャトルランの平均回数、昔の小学生と比べると?
それでは次に小学生のシャトルランの平均回数の推移を知るべく、平成の小学生のシャトルランの平均回数をチェックしてみましょう。
ここでは政府の統計データサイトe-Statで公開されているうち最も古いデータである平成11年度の体力運動能力調査での小学生のシャトルランの平均回数と比較を行うことに致します。
学年 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
小学1年生(7歳) | 26.48回 | 20.75回 |
小学2年生(8歳) | 34.18回 | 25.25回 |
小学3年生(9歳) | 40.85回 | 31.73回 |
小学4年生(10歳) | 46.28回 | 37.22回 |
小学5年生(11歳) | 55.65回 | 42.07回 |
小学6年生(12歳) | 64.01回 | 44.56回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
全学年、男子女子共に令和の小学生の平均回数の方が上回っていることがわかります。
シャトルランの平均回数から考える限り、令和の小学生と平成の小学生では令和の小学生の方が持久力があるものと判断することができそうです。
やるじゃん、令和の小学生!
平成の小学生としてはちょっと、悔しいけど。
運動部への所属の有無の影響は?
次に運動部等に所属している小学生とそうでない小学生のシャトルランの平均回数の比較を行ってみます。
学年 | 運動部等に所属している小学生 | 所属していない小学生 |
---|---|---|
小学1年生(7歳) | 32.96回 | 26.37回 |
小学2年生(8歳) | 40.30回 | 31.03回 |
小学3年生(9歳) | 50.35回 | 33.82回 |
小学4年生(10歳) | 59.10回 | 41.58回 |
小学5年生(11歳) | 61.91回 | 46.46回 |
小学6年生(12歳) | 72.10回 | 56.27回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
学年 | 運動部等に所属している小学生 | 所属していない小学生 |
---|---|---|
小学1年生(7歳) | 23.12回 | 22.82回 |
小学2年生(8歳) | 34.52回 | 27.92回 |
小学3年生(9歳) | 40.28回 | 33.44回 |
小学4年生(10歳) | 47.75回 | 36.71回 |
小学5年生(11歳) | 54.78回 | 41.29回 |
小学6年生(12歳) | 57.78回 | 37.46回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
全学年、男子女子共に運動部等に所属している小学生の平均回数の方が上回っていることを確認することができます。
運動部等に所属している小学生の平均回数の方が上回っているということ自体は予想通りですが平均回数の差は予想以上のような気がします。
特に小学校3年生男子、小学校6年生女子の平均回数の差はかなり目を引きますよね。
運動部等に所属していない小学生も、自主的に運動する機会を設けるなどして、ある程度は持久力の向上に努めるべきと言えるでしょう。
何をやるにしても、やっぱり、体力は大事。
体の健全な成長のためにも、ある程度は運動することを心がけて。
都会の小学生と田舎の小学生の平均回数の差は?
次に都会の小学生と田舎の小学生のシャトルランの平均回数の差を比較してみます。
学年 | 都会(大都市・中都市) | 田舎(町村) |
---|---|---|
小学1年生(7歳) | 26.48回 | 29.66回 |
小学2年生(8歳) | 32.56回 | 36.71回 |
小学3年生(9歳) | 42.80回 | 50.11回 |
小学4年生(10歳) | 51.37回 | 54.17回 |
小学5年生(11歳) | 57.08回 | 58.57回 |
小学6年生(12歳) | 71.72回 | 72.47回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
学年 | 都会(大都市・中都市) | 田舎(町村) |
---|---|---|
小学1年生(7歳) | 21.38回 | 24.65回 |
小学2年生(8歳) | 27.61回 | 31.82回 |
小学3年生(9歳) | 36.48回 | 37.64回 |
小学4年生(10歳) | 42.17回 | 41.62回 |
小学5年生(11歳) | 43.82回 | 50.47回 |
小学6年生(12歳) | 50.99回 | 59.02回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
6(学年)×2(男女)=12のセグメントのうち、11のセグメントで田舎の小学生の回数が上回っています。
シャトルランの平均回数から考える限り、田舎の小学生の方が持久力はあるものと判断して良さそうです。
50メートル走に関しては都会の小学生の方が優勢という結果でしたが、さすがに持久力の面では田舎の小学生の方に明確に分があるようです。
さすがに持久力の面では田舎の小学生の方が上か。
通学も含めて自分の足での移動距離が違うもんね。
まとめ
- 小学生のシャトルランの平均回数は学年を上がることに順調に伸びる。
男子については小学1年生から2年生、および小学5年生から6年生、女子については小学1年生から2年生にかけての回数の増加率が高くなっている。 - シャトルランの回数を伸ばすためのコツを端的に言うと準備運動と足に負担のかからない走り方。
- 令和の小学生と平成の小学生では令和の小学生の方が全学年、男子女子共にシャトルランの平均回数が多くなっている。
- 運動部等に所属している小学生とそうでない小学生では運動部等に所属している小学生の方が全学年、男子女子共にシャトルランの平均回数が多くなっている。
- 都会の小学生と田舎の小学生では小学4年生女子を除く全セグメントにおいて田舎の小学生の方がシャトルランの平均回数が多くなっている。
シャトルランのような持久力を試される測定種目では50メートル走のような瞬発力を試される測定種目以上に日々の運動量の差が大きく影響するのね。
私もちょっとした距離ぐらいなら交通機関を使わずに歩くとかして、ちょっとでも運動量を増やせるように心がけようっと。
ちなみに他の平均についてもあれこれ記事にしていますので、合わせてチェックしてみて下さいね。
⇒色んな平均の記事一覧