こんにちは、コテコテ関西人、やっせです。
先日、北海道在住の某クライアントとのやりとりの中で、「そっちも、もうだいぶ、ぬくいでしょ?」と聞いたら、「ぬくいって何ですか?」と聞き返されました。

えっ、ぬくいって標準語じゃないの?
またしても関西人が標準語と思い込んでいるだけの方言?

ということで、そのあたりのことを詳しく調べてみることにしました。
ぬくいという言葉を聞いたことがないという方のために、その意味や使い方についてもさらっと紹介していきますので、興味のある方は是非、しばらくの間、お付き合い下さい。

それでは早速、行きまっせ。

あっこちゃんあっこちゃん

たしかに意味はわかるけど、使ったことないわ。ひょっとして関西弁なのかしら。

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ぬくいの意味とは?

ぬくいというのは、「あたたかい(暖かい・温かい)」ことを意味します。
より具体的には以下のような意味で使います。

1.天候・気温等があたたかい
2.スープ、味噌汁等があたたかい
3.服・布団等があたたかい
4.人柄や人間性なとがあたたかい
5.懐などがあたたかい(経済的に余裕がある)

つまり、一般的にあたたかいという言葉で形容されるものについては、ぬくいという言葉でも形容されうるということです。

ぬくいは方言なの?

ぬくいという言葉の使用頻度について、東日本と西日本を比べた場合、西日本の方が使用頻度が高いというのは事実のようです。
その意味ではぬくいは西日本の方言と言えないことはないのかもしれません。

ただし、東日本でも東北地方では、ぬくいを頻繁に使う人の割合が高い地域が半数程度はあり、また、頻繁に使わないまでも、その意味はわかるという人の割合が高い地域が大半を占めます。
こういった事実を踏まえれば、方言だとしても、かなり標準語に近い立ち位置の言葉ということになりそうです。

ちなみに関東地方ではぬくいを全く使わない人の割合が高い地域が大半を占め、ぬくいの使用圏は関西地方から東北地方に一気に飛ぶことになります。
理由はわかりませんが、非常に興味深い現象ですよね。

まことくんまことくん

関東がぬくいの空白地帯になっているわけか。
たしかに不思議な現象だね。

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関西でのぬくいという言葉の使われ方

次に関西でのぬくいという言葉の使われ方について例文を挙げて紹介します。
ぬくいという言葉を普段、使うことがないという方は参考までにご覧になって下さい。

例文①

今日はめっちゃ、ぬくいなあ。
(標準語訳:今日はすごく、あたたかいね。)

天候・気温等があたたかいという意味での例文。
関西では、小春日和には、このセリフが頻繁に飛び交います。

例文②

この時期は鍋やら、おでんやら、ぬくいもんが、いっちゃんええわ。
(標準語訳:この時期は鍋だとか、おでんだとか、あたたかいものが一番いいわ。)

スープ、味噌汁等があたたかいという意味での例文。
ちなみに関西ではおでんのことを関東炊きともいいます。
若い子たちの間での認知度は、かなり下がってきてはいますが。

なお、「いっちゃん」というのは関西弁で「一番」のことを意味する言葉です。「いっちゃん」という言葉の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。

例文③

自分、めちゃぬくそうなジャンバー着てんなあ。
(標準語訳:君、すごく、あたたかそうな上着を着ているね。)

服・布団等があたたかいという意味での例文。
ちなみにジャンバーではなく、ジャンパーが正しいとかいった議論を待たず、事実として関西人のうちの結構な割合の人がジャンバーと言っています

例文④

あいつは、ああ見えて、なかなか気持ちがぬくい奴よ。
(標準語訳:あいては、ああ見えて、なかなか気持ちがあたたかいやつだよ。)

人柄や人間性なとがあたたかいという意味での例文。

ちなみに人を評してぬくいという場合、その人をバカにする意味で使われることも。
たとえば、「あいつは、頭がぬくい奴やからなあ」とかいった言い方をする場合、「あいつは頭がおめでたい奴だからなあ」といったような意味になります。

例文⑤

羽振りええなあ。えらい、懐ぬくそうやがな。
(標準語訳:羽振りがいいね。随分と懐があたたかそうだね。)

懐などがあたたかいという意味での例文。
ちなみに関西人は懐がぬくい時には聞かれてもないのに、自分の方から「今、ちょっと、懐、ぬくいねん」などと自己申告する傾向が強いです。

あっこちゃんあっこちゃん

頭がぬくいって言われたら、悪口なのね。
覚えておこうっと。

まとめ

  • 「ぬくい」はあたたかいことを意味する言葉
    より、具体的には以下のような意味で使う。
    ①天候・気温等があたたかい
    ②スープ、味噌汁等があたたかい
    ③服・布団等があたたかい
    ④人柄や人間性なとがあたたかい
    ⑤懐などがあたたかい(経済的に余裕がある)
  • ぬくいは西日本や東北地方では、よく使われているが関東地方では、あまり使われていない。
    その意味では方言と言えなくもない。
  • ぬくいは、たとえば「頭がぬくい」などと悪口的な使い方をされることもある。

それにしても今回、「ぬくい」が通じない地域があることを知って、大変、驚きました。
なにしろ「ぬくいってなんですか?」とクライアントから聞かれたとき、思わず「ぬくいはぬくいですよ。」と答えてしまったぐらいですから。(笑)

たぶん、こんな具合に自分が当たり前に通じるだろうと思って使っている言葉で通じないものが他にもたくさんあるんでしょうね。
関西以外の方とも広くやりとりさせてもらう仕事をしている以上、この点については自覚しておかないとダメだなと反省しております。

今後は、そういった点の配慮もしっかりとしつつ、相手を「?」とさせてしまわないコミュニケーションを心がけていきたいと思います。

以上、今回は「ぬくい」という言葉の意味等についてお伝えいたしました。

まことくんまことくん

さらに色んな言葉の意味等について知りたいという方は、こちらの記事も合わせてお読みになって下さい。
きっと、色々と面白い発見があると思いますよ。

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