こんにちは、コテコテ関西人やっせです。本日は関西人がよく使う「べべ」という言葉について紹介致します。
「べべ」というと全国的には着物のことを指す子供向け言葉として使用されることが多いと思いますが、実は関西の一部の地域では全く違った意味で用いられています。
そのあたりのことを関西弁歴半世紀の大阪のおとんが関西以外の方にもスッキリとご理解頂けるよう、詳しく解説していきますので興味のある方は是非とも最後までお付き合い下さい。
そしたら、早速、行きまっせ~!
へえ、「べべ」を着物以外の意味で使うんだ。どんな意味で使うんだろう?興味あるな。
関西弁「べべ」の意味とは?
関西人がよく使う「べべ」とは標準語でいうところのビリを意味します。要するに何らかの競争や成績において順位が最下位であることですね。
また関西では「べべ」と同じ意味で「べべた」「べった」「どべ」「どべた」といった表現も使います。「どべ」や「どべた」がやや表現的に強い印象になるだけで、特に意味的な使い分けがあるわけではありませんので、いずれの言葉についても最下位のことを言ってるのだなと認識してもらえれば十分かと思います。
ちなみに最下位の意味で「べべ」を使う地域においても、着物を意味する子供向け言葉として同じく「べべ」を使います。したがって、「べべ」を必ず最下位の意味で使用するわけではないので、文脈等からどちらの意味で使っているのか判断するようにして下さい。
「べべ」で「ビリ」の意味になるんだ。まあ、でも言われてみれば、それっぽいかも。
「べべ」はどこの方言?
「べべ」は大阪府・京都府南部を中心に兵庫県南部や和歌山県北部などで使用されている方言です。近畿圏でもそれ以外の地域では「どべ」の方が圧倒的によく使われています。
ただし主に「どべ」を使う地域であっても、近畿圏内なら「べべ」でも大体、意味は通じます。両者の音が似ているのはもちろんのこと、近畿圏では大阪で制作されているテレビ番組が頻繁に放送されており、その中で多くの出演者が大阪弁で話すので、大阪弁は使わずとも意味はわかるという人が増えているためだと思われます。
ちなみにケンコバや陣内あたりは全国放送の番組内でも普通に「べべ」という言葉を使っていますので、今後は全国的にも「べべ」という言葉の認知度がさらに上がっていくかもしれません。
どこまで認知度が上がっていくのか、楽しみに見守りたいと思います。
「べべ」は結構、狭い範囲で使われている方言なんだね。関西での主流は「どべ」なのか。これも覚えておこう。
「べべ」を使った例文
ここでは「べべ」という言葉への理解を深めて頂くために「べべ」を使った関西弁の例文をいくつか紹介したいと思います。標準語訳もお付けしておりますので合わせて参考になさって下さい。
6点てクラスでべべちゃうんか。
(標準語訳:6点てクラスでビリなんじゃないの。)
べべちゃうわ。田中、2点やし。
(標準語訳:ビリじゃないよ。田中、2点だもん。)
一般的な使い方。成績が悪い者同士で「べべ」探しをするのは大阪の小学校・中学校ではよくある光景。これは他県でも同じこと?
さらに大阪では、時々「べべ」の奴が、「イエイ!俺、べべ」と謎のべべ自慢をします。笑わすためには身を削る、大阪人らしい行動と言えるかもしれません。
お前、今月の営業成績また、べべやないか。っていうか、ぶっちぎりのどべやんけ。
(標準語訳:お前、今月の営業成績、またビリじゃないか。というか、ぶっちぎりのビリじゃないか。)
上でも少し触れた通り「べべ」であることを、ことさらに強調するために「どべ」を使うこともあります。
「どべ」はさらに間に「ん」を入れて「どんべ」とも。「どんべ」になると全国的に使用される「ドンケツ」との共通性を感じますね。
人間性で言うたら、藤本がべべやろ。あいつマジで性格、悪いもん。
(標準語訳:人間性で言ったら、藤本がビリだろ。あいつ本当に性格、悪いもの。)
「べべ」はあらゆる順位付け可能なものに使われます。この点に関しては「ビリ」と同じことです。
ちなみに大阪人はよく知りもしない人の人物評価も割と気軽にします。また自分の発言に対してあまりこだわりもないので「あいつ、性格悪そうと思っててんけど、話してみたら結構、ええ奴やったわ。」みたいな前言撤回もよくやります。
「べべ」自慢って何より、面白いことに価値を置く大阪人らしい。大阪人は安く買い物したことを自慢するという話を聞いたことがあるけど、その話と通じるものを感じるわ。
まとめ
- 「べべ」とは標準語でいうところの「ビリ」を意味する言葉。
- 「べべ」と同義語の関西弁に「べべた」「べった」「どべ」「どべた」などがある。
- 「べべ」は大阪府・京都府南部を中心に兵庫県南部や和歌山県北部などで使用されている方言である。
ちなみに、とある市の小学校の運動会では、徒競走でゴールする際にみんなで手をつないでゴールするという取り決めをしていた時期があるらしいです。なんでも、「べべ」になる子が傷つくことを避けるためだとか。
私、個人としては、こういう話って、かなり違和感を感じるんですよね。頑張った結果「べべ」になるのは悪いことじゃないし、「べべ」になる経験自体、ある意味、1位になること以上に価値あることだと思うからです。
「べべ」になって傷ついたり、へこんだりする子がいれば、それを乗り越えられるよう、一緒に悩んだり、アドバイスをしたりするのが教育であって、最初から「べべ」になる子が出ないようにするのは、ちょっと違うと思うんですけどね。
少なくとも私はうちの息子が「べべ」を何度も味わって良かったと思っています。おかげさまで打たれ強さだけは一流です。
まあ、彼の場合、必要以上に「べべ」を味わい過ぎた感もありますが。「べべ」慣れしすぎかもしれません(笑)。
以上、今回は関西弁における「べべ」という言葉の意味等についてお伝えいたしました。
当サイトでは「べべ」以外にも関西弁を中心に様々な言葉の意味等を紹介しています。豊富な例文を用いて、わかりやすく解説しているつもりですので、興味のある方は、是非、合わせてご覧になって下さいね。