前回、小学生の50メートル走の平均タイムを調べてみたところ、色んな事実がわかってきました。
たとえば、都会の小学生と田舎の小学生では実は都会の小学生の方が50メートル走の平均タイムが速いとか、今の小学生と20年前の小学生では、今の小学生の方が50メートル走の平均タイムが速いとか、いったことです。
恥ずかしながら、私自身も勝手に間違った思い込みをしていました。
ほんと、ちゃんと調べてみないと、わからないことって結構、あるものなんですね。
そこで今回はさらに自分の勝手な思い込みがないかを検証するべく、中学生の50メートル走の平均タイムについて調査してみたいと思います。
前回同様、今の中学生と昔の中学生との比較や都会の中学生と田舎の中学生との比較など、様々な観点から検討していきたいと思いますので、興味のある方は是非とも最後までお付き合い下さい。
中学生の50メートル走平均タイム
令和2年度体力・運動能力調査(速報)における中学生の50メートル走の平均タイムは以下のようなものでした。
学年 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 7.90秒 | 8.79秒 |
中学2年生(14歳) | 7.45秒 | 8.75秒 |
中学3年生(15歳) | 7.49秒 | 8.89秒 |
男子については中学1年生から2年生の間に平均タイムが0.45秒も縮まっていますね。
まだ、まだ伸び盛りと言った感じです。
一方、女子の方は同じ期間に平均タイムが0.04秒しか縮まっていません。
50メートル走の平均タイムだけで判断する限り、体力的な成長はひと段落といった感じなのかもしれませんね。
中学2年生から3年生にかけての時期は男子、女子共に逆に平均タイムが長くなってしまっていますね。
これはおそらく高校受験を控え、部活動を引退するなど、運動する機会が減少することが影響しているのでしょう。
中学3年生の50メートルの平均タイムって男子と女子で1.4秒も差があるんだ。やっぱり、男の子はすごいね。
※前回の記事でご紹介して好評だった短距離走が速くなる方法を解説している動画を再掲しておきます。
足が遅いことを気にしている方は是非とも参考になさって下さいね。
平成の中学生とどちらが速い?
次に今の中学生と昔の中学生の50メートル走の平均タイムの比較を行ってみましょう。
ここでは政府の統計データサイト、e-Statで公開されている体力・運動能力調査結果のうち、最も古い平成11年度の 体力・運動能力調査 における中学生の50メートル走の平均タイムと比較することと致します。
学年 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 7.96秒 | 8.89秒 |
中学2年生(14歳) | 7.56秒 | 8.74秒 |
中学3年生(15歳) | 7.59秒 | 9.13秒 |
学年別・性別の6つのセグメントのうち、中学2年生女子をのぞく5つのセグメントで今の中学生の平均タイムの方が上回っていることになります。
50メートル走の平均タイムだけを見れば、令和の中学生の方が平成の中学生より、足が速いと結論付けることができそうです。
小学生の場合と同じ結果ですね。
やはり、子供たちの体力は一時期に比べると上昇傾向にあるのかもしれませんね。
いずれにしても子供が元気なのはいいこと。
喜ばしいことです。
平成の中学生としては、悔しい気持ちもあるけど、やっぱり、中学生の体力がアップしているのはうれしいなあ。
運動部等への所属の有無の影響は?
次に運動部等に所属している中学生とそうでない中学生の50メートル走の平均タイムの比較を行ってみたいと思います。
男子 | 運動部に所属している | 運動部に所属していない |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 7.83秒 | 8.36秒 |
中学2年生(14歳) | 7.40秒 | 7.68秒 |
中学3年生(15歳) | 7.37秒 | 7.68秒 |
女子 | 運動部に所属している | 運動部に所属していない |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 8.60秒 | 9.24秒 |
中学2年生(14歳) | 8.56秒 | 9.04秒 |
中学3年生(15歳) | 8.64秒 | 9.09秒 |
全学年、男子女子共に運動部等に所属している中学生の平均タイムの方が速いという結果になっています。
まあ、これは完全に予想通りの結果ですね。
もともと運動が好き、もしくは得意な子供が運動部に入り、運動があまり好きでない、もしくは苦手な子供が運動部に入らないという選択をしたことによって、さらに差が拡がってしまっているような印象があります。
もちろん、部活などは自分が好きなものをやればいいとは思いますが、運動部等に所属していない中学生もある程度は運動する機会をもって、あまりに体力不足になるようなことだけは避けて欲しいと思います。
そこで勝負しないにしても、やはり体力があるに越したことはありませんので。
運動部に入っている中学生の方が0.3秒から0.6秒ぐらい平均タイムが速いんだね。体力のことだけを考えれば、やっぱり、運動部に入る方が有利になるんだね。
都会の中学生VS田舎の中学生
次に都会の中学生と田舎の中学生の50メートル走の平均タイムの比較を行ってみたいと思います。
※本記事においては体力・運動能力調査における都市階級区分のうち、大・中都市を都会、町村を田舎として取り扱っています。
男子編 学年 | 都会(大・中都市) | 田舎(町村) |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 7.78秒 | 7.86秒 |
中学2年生(14歳) | 7.56秒 | 7.29秒 |
中学3年生(15歳) | 7.48秒 | 7.43秒 |
女子編 学年 | 大・中都市 | 町村 |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 8.80秒 | 8.70秒 |
中学2年生(14歳) | 8.67秒 | 8.62秒 |
中学3年生(15歳) | 8.91秒 | 8.79秒 |
学年別・男女別の6つのセグメントのうち、中学1年生男子を除く5つのセグメントで田舎の中学生の方が平均タイムが速いことになります。
50メートル走の平均タイムだけで判断するかぎり、田舎の中学生の方が足が速いと結論付けることができそうです。
これは小学生の場合とは異なる結論ですね。
都会と田舎、小学生から中学生になる過程で、どのような違いが生じているのでしょうか?
明確な理由はわかりませんが、逆転現象が生じている以上、両者の間に運動量の差があることは間違いないと思われます。
逆転現象の理由は何なんだろう?そう言えば大学の友達で、実家がものすごく田舎のやつが、中学校への通学時間が自転車で片道1時間以上かかるようなことを言ってたな。そういうことも多少は関係しているのかもしれないね。
まとめ
- 中学生男子の50メートル走の平均タイムは1年生、7.90秒・2年生7.45秒・3年生、7.49秒。
中学生女子の50メートル走の平均タイムは1年生、8.79秒・2年生8.75秒、3年生8.89秒。
男女ともに2年生から3年生時にかけては平均タイムが遅くなる。 - 令和の中学生と平成の中学生を比べると令和の中学生の方が50メートル走の平均タイムがおおむね、速い。
- 運動部等に所属している中学生とそうでない中学生を比べると運動部等に所属している中学生の方が50メートル走の平均タイムが学年別・男女別の全セグメントにおいて0.3秒から0.6秒程度速い。
- 都会の中学生と田舎の中学生を比べると田舎の中学生の方が50メートル走の平均タイムがおおむね、速い。
今回も随分と色んな発見があった気がするわ。もう少し年齢層を拡げて、50メートル走の平均タイムについて調査すると、もっと、色んなことがわかってくるかも。
たしかに。高校生とか大人の50メートル走の平均タイムなんかも機会があったら調べてみたいね。
ちなみに他の平均についてもあれこれ記事にしていますので、合わせてチェックしてみて下さいね。
⇒色んな平均の記事一覧