先日、少しにぎやかな気がしたので、自宅の窓から外を見たところ、小学生ぐらいの子供たち数人がキャッキャッ言いながら走り回っているのが見えました。
どうやら鬼ごっこか何かをして遊んでいる模様。
いずれにしても子供たちが外で元気に遊びまわるのはいいことです。

で、その微笑ましい光景をしばらく眺めていたのですが、一つ気になることがありました。
なんだか、みんな走る姿が様になっていない。
遠慮なくストレートに言ってしまえば、明らかに足が遅いように感じたのです。

「外より家の中で遊ぶ時間が増えて子供たちの運動能力が低下している」などという物言いは、もう、随分、昔からされているものですが、私が思っているより、事態は深刻なのかもしれません。
そう感じた途端に今どきの小学生の子供たちの足の速さが、どの程度のものなのかが、大変、気になってきました。

そこで今回は今どきの小学生の子供たちの足の速さを知るべく50メートル走の平均タイムについて、様々な角度から調査・検討してみたいと思います。

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令和の小学生の50メートル走平均タイムは?

令和2年度に実施された体力・運動能力調査によると小学生の50メートル走の平均タイムは以下のようなものでした。

学年男子女子
小学1年生(7歳)10.65秒11.06秒
小学2年生(8歳)9.95秒10.28秒
小学3年生(9歳)9.61秒9.85秒
小学4年生(10歳)9.15秒9.47秒
小学5年生(11歳)8.91秒9.17秒
小学6年生(12歳)8.50秒9.06秒
※引用元:令和2年度体力・運動能力調査結果(速報)

私が小学生だった約40年前の記憶をたどると、クラスの男子約20名のうち、50メートル走を7秒台で走る子供は5名程度だったと記憶しています。
残りの大半は8秒台で、一人、二人ほど、運動があまり得意でない子が9秒台といった感じだったのではないでしょうか。

だとすると、クラス男子の平均タイムは8秒2から8秒3程度だったのかも。
どうやら今の小学生の足が極端に遅くなっているというわけではなさそうです。
すいません、私の勘違いでした。

まことくんまことくん

一般的なイメージほど、今の小学生の足が遅くなっているわけじゃないんだね。

平成の小学生とどちらが速い?

私のあやふやな記憶との比較だけで、結論付けてしまうのも、どうかと思いますので、念のため公式な過去データと比較してみましょう。

ここでは平成11年度体力・運動能力調査における小学生の50メートル走の平均タイムを紹介致しますね。(政府が運営する統計データサイト、e-Statで公開されているもののうち最も古いデータです。)

学年男子女子
小学1年生(7歳)10.73秒11.04秒
小学2年生(8歳)10.16秒10.50秒
小学3年生(9歳)9.72秒10.03秒
小学4年生(10歳)9.34秒9.57秒
小学5年生(11歳)8.93秒9.26秒
小学6年生(12歳)8.47秒9.05秒
※引用元平成11年度体力・運動能力調査結果

令和と平成のデータを比較すると、男子については小学1年生から小学5年生、女子については小学2年生から小学5年生は、令和の小学生の50メートル走の平均タイムが速いことになります。
50メートル走の平均タイムだけを見る限り、総体的には令和の小学生の方が平成の小学生より足が速いと結論付けて良さそうです。

一時期、よく言われていた小学生の子供の運動能力の低下は改善される傾向にあるのかもしれません。
ただし、その傾向の中にあって、小学6年生の平均タイムだけが男女ともに平成の小学生に負けている点が気にはなりますが。

あっこちゃんあっこちゃん

令和の小学生の方が50メートル走の平均タイムが縮んでいるんだ。スゴイ!

運動部等への所属の有無の影響は?

次に運動部等への所属の有無が50メートル走の平均タイムにどの程度、影響するものなのかを確認してみましょう。
令和2年度体力・運動能力調査(速報)によると小学生のうち、運動部等に所属している子供と運動部等に所属していない子供の50メートル走の平均タイムは、それぞれ以下のような結果でした。

男子運動部に所属している運動部に所属していない
小学1年生(7歳)10.51秒10.83秒
小学2年生(8歳)9.82秒10.17秒
小学3年生(9歳)9.47秒9.94秒
小学4年生(10歳)8.98秒9.57秒
小学5年生(11歳)8.83秒9.07秒
小学6年生(12歳)8.47秒8.65秒
※引用元:令和2年度体力・運動能力調査結果(速報)
女子運動部に所属している運動部に所属していない
小学1年生(7歳)10.99秒11.10秒
小学2年生(8歳)10.05秒10.49秒
小学3年生(9歳)9.76秒9.92秒
小学4年生(10歳)9.28秒9.65秒
小学5年生(11歳)9.03秒9.27秒
小学6年生(12歳)8.89秒9.46秒
※引用元:令和2年度体力・運動能力調査結果(速報)

男子・女子共に全学年において運動部等に所属している子供の方が運動部等に所属していない子供より50メートル走の平均タイムが速くなっていることがわかります。
これは予想通りの結果ですね。

やはり、定期的に運動する機会がある方が足は速くなるということです。
当たり前すぎる話ではありますが。

まことくんまことくん

まあ、この比較に関しては当然そうなるだろうね。もともと運動が得意だからこそ、運動部等に入っているという子供も多いだろうし。

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都会の小学生VS田舎の小学生

次に都会の小学生と田舎の小学生のどちらが足が速いのかを確認してみたいと思います。
イメージとしては自然豊かなところで元気に走り回っている田舎の小学生の方が足が速そうなイメージがありますが、実際のところはどうなんでしょうか。
令和2年度体力・運動能力調査(速報)によると都会(大・中都市)の小学生と、田舎(町村)の小学生の50メートル走の平均タイムは、それぞれ以下のような結果でした

男子編 学年都会(大・中都市)田舎(町村)
小学1年生(7歳)10.60秒10.76秒
小学2年生(8歳)9.93秒10.04秒
小学3年生(9歳)9.52秒9.83秒
小学4年生(10歳)9.26秒9.26秒
小学5年生(11歳)8.90秒9.05秒
小学6年生(12歳)8.50秒8.27秒
※引用元平成11年度体力・運動能力調査結果(速報)
女子編 学年都会(大・中都市)田舎(町村)
小学1年生(7歳)11.02秒11.06秒
小学2年生(8歳)10.34秒10.30秒
小学3年生(9歳)9.75秒10.05秒
小学4年生(10歳)9.39秒9.62秒
小学5年生(11歳)9.21秒9.26秒
小学6年生(12歳)9.04秒9.00秒
※引用元平成11年度体力・運動能力調査結果(速報)

男子については1年生から5年生まで、女子については1年生と3年生から5年生までは都会の小学生の方がタイム的に速いことがわかります。
50メートル走の平均タイムで見る限り、総体的には都会の小学生の方が足が速いと結論付けて良さそうです。
ちょっと意外な結果ですね。

ひょっとすると都会の方がライバルとなる同級生が多い分、競争意識が芽生えやすいことが影響しているのかもしれません。
やはり「あいつに負けたくない」という気持ちは子供たちの頑張りに火をつける効果があるはずですので。

ここでも気になるのは他の学年の奮闘をよそに小学6年生だけは男女ともに都会の子供が田舎の子供に負けている点です。
令和の小学生と平成の小学生のタイム比較でも同じような現象が見受けられましたが、原因は何なんでしょうね。

もしかすると中学受験が影響しているのでしょうか?
都会では小学6年生ともなればスマホの保有率も上がってくるでしょうから、そのことも影響しているのかもしれません。
もちろん、いずれも私の個人的な憶測に過ぎませんが。

あっこちゃんあっこちゃん

都会の小学生の方が足が速いっていうのは、かなり意外な気がする。今は田舎の小学生もあまり外で体を動かすような遊びをしないのかしら。

50メートル走を早く走るには?

今の自分の50メートル走のタイムが平均より、多少、遅かったとしてもガッカリすることはありません。
速く走るためのコツをつかめば、50メートル走のタイムは驚くほど簡単に伸ばすことができるからです。

ここでは、50メートル走を含む短距離走が速くなるためのコツをわかりやすく伝えてくれているおすすめ動画を2つほど紹介しておきます。

一つ目はこちら。

お笑いタレントの森脇健児さんの動画ですが、タレントさんらしく、速く走るために最も重要なコツを小学生にでもわかるよう、わかりやすく解説してくれています。
あまり、たくさんのアドバイスがあると、かえって混乱しそうなタイプの方は、まずは、こちらの動画をチェックされることをおすすめします。

2つ目はこちら。

走りの学校さんの動画ですが、短距離走指導の専門家らしく、速く走るためのトレーニング方法などを詳細に解説してくれています。
この動画の内容にしたがってしっかりとトレーニングを行えば、かなり50メートル走のタイムを縮めることができると思いますが、内容的には、ちょっと難しい部分があるかもしれません。

したがって森脇さんの動画の内容を見てみて、より速く走るために、もっと色んなことを学びたいと感じた場合には、こちらの動画も合わせてご覧になって下さい。

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まとめ

  1. 小学生男子の50メートル走の平均タイムは1年生・10.65秒、6年生・8.50秒。
    小学生女子の50メートル走の平均タイムは1年生・11.06秒、6年生・9.06秒。
    つまり、男子・女子共に6年間で50メートルの平均タイムが2秒ほど縮まることになる。
  2. 令和2年と平成11年の運動能力調査を比較すると、学年別・男女別の12のセグメントのうち、9つのセグメントにおいて令和2年の小学生の方が50メートル走の平均タイムが速い
  3. 運動部等に所属している小学生とそうでない小学生を比較した場合、全学年において男子・女子共に前者の方が50メートル走の平均タイムが速い
  4. 都会の小学生と田舎の小学生を比べた場合、学年別・男女別の12のセグメントのうち、8つのセグメントにおいて都会の小学生の方が50メートル走の平均タイムが速い
  5. 50メートル走に限らず、短距離を速く走るための最も重要なコツは腕を前後に大きくしっかり振ることと、着地点をより遠くにするべく足(太もも)をしっかりとあげることの二つ。
まことくんまことくん

平成の小学生より、令和の小学生の方が足が速いとか、田舎の小学生より、都会の小学生の方が足が速いっていうのは、ちょっと、驚きだったなあ。やっぱり勝手な思い込みはいけないね。事実を知りたければ、ちゃんと調べないと。


ちなみに他の平均についてもあれこれ記事にしていますので、合わせてチェックしてみて下さいね。
色んな平均の記事一覧