まいど、コテコテ関西人やっせです。本日は「さかい」という言葉について紹介致します。
全国的には「物と物が接する場所」あるいは「土地と土地の区切り目」というような意味で使われる「さかい」という言葉ですが関西の一部地域では、それとは全く違った意味でも使用されています。
どのような意味合いで使用されているのか、ちょっと気になるところですよね。
そこで今回、当サイトでも関西人がよく使う意味での「さかい」という言葉について紹介してみようと考えたわけです。
「さかい」という言葉をはじめて聞いた方にもスッキリとご理解頂けるよう、丁寧になおかつユーモアを持って解説させて頂くつもりですので興味のある方は是非とも最後までご覧になって下さい。
ほな、早速、行かせてもらいまっせ~!
どういう意味なんだろう?聞いたことないな。たしか大阪に堺市という市があったと思うんだけど、それと何か関係があるんだろうか?
「さかい」の意味とは?
関西人がよく使う「さかい」という言葉の意味は次のとおりです。
- ~から
- ~ので
たとえば、こんな感じで使います。
「今日はちょっと冷えるさかい、もう一枚余分に、羽織っとき。」
(標準語訳:今日はちょっと冷えるから、もう一枚、余分に羽織っておきなさい。)
要するに原因や理由を示す、順接の接続詞ですね。
なお、「さかい」の関西弁の同義語に「よって」という言葉があります。
上の例文を「よって」で書き替えるとこんな感じになります。
「今日はちょっと冷えるよって、もう一枚余分に、羽織っとき。」
なるほど、原因や理由を示す接続詞なのね。それにしても「今日はちょっと冷えるさかい」って、なんかいいわね。関西らしい情緒があって素敵。
「さかい」を使った例文
ここでは「さかい」を使った関西弁の例文をいくつか紹介させて頂きます。
実際の会話を想定した例文に触れることによって「さかい」という言葉の意味や使い方を、さらに深いレベルで理解することができると思いますので是非とも参考になさって下さい。
この道、5分ぐらいブワーっと行ったら、どんつきになるさかい、そこを右に行って。ほな、すぐに赤い屋根の家、見えてくるから。たぶん、そこやわ。
(標準語訳:この道、5分ぐらいまっすぐ行ったら、突き当りになるので、そこを右に行って。そしたら、すぐに赤い屋根の家が見えてくるから。たぶん、そこだわ。)
「さかい」のオーソドックスな使い方。
なお、関西人(特に大阪人)の道案内は例文の「ブワーっと」のような擬音語が非常に多くなります。
他にも「びゅーっと」とか「ズドンと」とか言った擬音語がよく使われますが、右とか左とかいった方角に関する指示がない限り、とりあえず、まっすぐ行くのだなと考えてもらって間違いありません。
※「どんつき」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
どんつきという言葉の意味についてコテコテの関西人(大阪人)の立場から紹介しています。例文や図解を用いつつ、なるべくわかりやすく、かつ、ユーモアをもって解説させて頂いておりますので、興味のある方は是非ともご覧になって下さい。
今日、部長のところで晩御飯呼ばれることになったさかいに、晩御飯いらんわ。
(標準語訳:今日、部長のところで晩御飯をごちそうになることになったので、晩御飯いらないわ。)
例文のように「さかい」に助詞「に」を付け足して「さかいに」とすることもよくあります。
使用割合としては「さかい」50%「さかいに」50%といったところでしょうか。
※「呼ばれる」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
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えらい、ケガしはって。せやさかい、あれほど気ぃつけてやて言うたのに。
(標準語訳:ひどいケガをされて。だから、あれほど気をつけてと言ったのに。)
へいへい、そうでおますな。
(標準語訳:はいはい、そうですね。)
「さかい」の頭に「せや」をつけて「だから」の意味で使用している事例。
「せやさかい」のほかに「そやさかい」とも言います。
※「おます」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
大阪弁「おます」の意味等について大阪のおとんが解説しています。他県民の方にもわかりやすいよう例文を交えてコッテリ、解説していますので、大阪弁「おます」の意味等について興味のある方は是非ともご覧になって下さいね。
大阪人の道案内ってたしかに擬音語のインパクトがすごいよね。一度、大阪の友達のところに遊びに行った際に人に道をたずねたことがあるけど、「ブワーっと」みたいな擬音語がすごすぎて肝心の道案内の内容が全く頭に入らなかった記憶があるもん。
「さかい」はどこの方言?
「~から」とか「~ので」という意味で「さかい」という言葉が使用されているのは以下のような地域です。
- 京都府中部以南
- 大阪府
- 兵庫県東南部
- 和歌山県北部
したがって「~から」とか「~ので」という意味での「さかい」という言葉はこれらの地域の方言ということになります。
なお、兵庫県東南部(尼崎市など)や和歌山県北部(和歌山市など)については文献などでは使用地域として記載されていませんが、事実として使用している友人・知人が複数人いるので、あえて含めさせて頂きました。
その点、あらかじめご了承下さい。
ちなみに近畿地方であれば上記以外の地域であっても、「さかい」という言葉を自らは使わないまでも意味としては十分、通じるようです。
近畿地方の中でも使用されている地域は限られているのね。
まとめ
- 関西人がよく使う「さかい」という言葉の意味は
・~から
・~ので
である。 - 「さかい」の関西弁の同義語に「よって」という言葉がある。
- 「さかい」は
・京都府中部以南
・大阪府
・兵庫県東南部
・和歌山県北部
などの方言である。
ちなみに私自身は「さかい」とか「さかいに」という言葉をほとんど使わないですね。
使うとしたらたとえば息子に説教する際に「せやさかい言うたやろ。」みたいな感じで「せやさかい」という言葉を使うぐらいでしょうか。
まあ、既に50歳を超えている私がこんな感じなので、まして若い子なんてほとんど使わないと思います。
つまり「さかい」も既に年配者限定の言葉になってしまっているということですね。
ちょっと淋しい話ではありますが、これも時代の流れ。仕方のないことなのかもしれません。
以上、今回は関西で使われる「さかい」という言葉の意味等についてお伝え致しました。
当サイトでは「さかい」という言葉以外にも様々な言葉の意味等についてお伝えしています。興味のある方は是非とも合わせてご覧になって下さい。