まいど、コテコテ関西人やっせです。本日は「パチる」という言葉について紹介致します。
大阪では馴染み深く、大人から子供まで誰もが普通に使用する「パチる」という言葉ですが、地方によっては全く意味が通じないこともあるとのこと。
そこで今回、当サイトでもあらためて「パチる」という言葉について紹介してみようと考えたわけです。
「パチる」という言葉を初めて聞いた方にもスッキリとご理解頂けるよう、丁寧になおかつユーモアを持って解説させて頂くつもりですので興味のある方は是非とも最後までご覧になって下さい。
ほな、早速、行かせてもらいまっせ~!
「パチる」なんて聞いたことないな。「パチンコをする」とか?
「パチる」の意味とは?
「パチる」とはズバリ
盗む
ということですね。
たとえば、こんな感じで使います。
「お前、人のもん、パチんなや!(標準語訳:お前、人の物を盗むなよ!)」
ニュアンス的には大きな盗みというより、万引き程度の小さな盗みを意味します。
また、盗む対象は金品に限らず、アイデアやデザインなども含みます。
ちなみにごく一部で「パチる」を「パチンコをする」という意味で使用することもあるようです。
まあ、これはよくある言葉の短縮ですね。
「パチる」の語源は?
語源については諸説あるようですが、最も有力なのが「嘘っぱち」の「ぱち」から派生したという説ですね。
「人のアイデアを盗用したもの=嘘っぱちのアイデア」という理屈から「盗む=パチる」となったんだとか。
まあ、ありえない話ではないでしょう。
ちなみにブランド品などの違法コピー商品を意味する「パチモン」という言葉も「嘘っぱち」の「ぱち」から派生したものです。
昔、子供たちに人気だった口の中ではじけるお菓子「ドンパッチ」を食べることも「パチる」と言ったそうよ。
「パチる」はどこの方言?
パチるはもともとは大阪弁だったようです。
しかし、その後、近畿地方、さらには中国、四国地方へと広がり、今では九州地方でも割と普通に使用されるようになっています。
したがって、現時点では西日本のほぼ全域で使用される方言ということになります。
ちなみに私の友人・知人などからの情報によると関東地方でも「パチる」という言葉を使わないまでも、意味としては割と通じるのではないかとのことです。
この点については「パチる」に音的にも近い同義語「パクる」という言葉の存在が大きいのかもしれません。
結構、広い範囲で使用されている言葉なんだね。
「パチる」を使った例文
ここでは「パチる」という言葉を使った関西弁の例文をいくつか紹介させて頂きます。
実際の会話を想定した例文に触れることによって「パチる」という言葉に対する理解がさらに深まることになると思いますので、是非とも参考になさって下さい。
あいつはちょっと手癖、悪いとこあんねん。つれのもんでも平気でパチったりするからな。付き合うんやったら、気ぃつけなあかんで。
(標準語訳:あいつはちょっと手癖が悪いところがあるんだ。友達のものでも平気で盗んだりするからね。付き合うのなら気を付けないとダメだよ。)
手癖の悪い人についてのヒソヒソ話の例文。
ちなみにものやアイデアをパチる人のことを「パチり」と呼ぶこともあります。
※「つれ」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
関西弁の「つれ」という言葉の意味等について関西弁歴半世紀の大阪人が紹介しています。標準語の「つれ」という言葉との、意味や使い方に関する違いが明確になるよう、わかりやすさ重視で解説していますので興味のある方は是非ともご覧になって下さい。
なんや、あんた、びしょ濡れやないの。
(標準語訳:なに、あなた、びしょ濡れじゃないの。)
学校で傘、パチられてん。まだ、さらやったのに。
(標準語訳:学校で傘を盗まれたんだ。まだ、新品だったのに。)
傘の盗難に関する親子のやり取り。「パチられる」は「パチる」の受身形です。
余談ですが傘って本当によくパチられますよね。個人的な防衛策として高い傘は持たないようにしています。
※「さら」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
海外のデザイナーのデザインパチってるやつって結構、おるからなあ。納品受ける前によっぽど慎重にチェックせんと。
(標準語訳:海外のデザイナーのデザインを盗用しているやつって結構、いるからね。納品を受ける前によっぽど慎重にチェックしないと。)
「パチる」をアイデアやデザインなどを「盗用する」という意味で使用している事例。
そう言えば某国際的イベントのロゴマークについても、パチったとか、パチっていないとかいう騒動がありましたね。
※「せん」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
関西でよく使われる「せん」という言葉の意味等についてお伝えしています。「せん」という言葉をはじめて聞いたという方にもスッキリとご理解頂けるよう例文なども紹介していますので興味のある方は是非ともご覧になって下さい。
使い方は「パクる」とほぼ同じ感じだね。
まとめ
- 「パチる」とは「盗む」ということである。ニュアンス的には大きな盗みというより、万引き程度の小さな盗みを意味する。
- 「パチる」の語源は「嘘っぱち」という言葉である。ちなみに「パチモン」という言葉も「嘘っぱち」という言葉を語源とする。
- 「パチる」は西日本のほぼ全域で使用される方言である。
ちなみに今回この記事を書くにあたり、調査のために東京在住の知人に「パチるって意味わかる?」と聞いたところ「パチパチパンチをするってこと?」という意表をついた答えが返ってきましたw
いやいや、なかなか面白い答えやけど、関西人みんなが普通にパチパチパンチをするわけじゃないからねw
以上、今回は「パチる」という言葉の意味等についてお伝え致しました。
当サイトでは「パチる」以外にも様々な言葉の意味等について紹介しています。興味のある方は是非、合わせてご覧になって下さい。結構ためになる記事も多いと思いますので。