今回は高校生のシャトルランの平均回数についてご紹介します。
前回、前々回の検証の結果、シャトルランの平均回数は小学生の間は順調に伸び続け、その後、男子は中学2年生の時に、女子は中学1年生の時に、それぞれピークに達し、減少に転じることがわかったわけですが、その後はどのように推移していくのでしょうか。
大いに気になるところですよね。
このまま、平均回数が一方的に減少し続けることになるのか、それとも持ち直すことになるのか、しっかりと検証していきたいと思います。
興味のある方は是非、最後までお付き合い下さいね。
それでは早速、行ってみましょう。
どんな風に平均回数が推移していくのかしら。
ワクワク。
令和の高校生のシャトルラン平均回数は?
それでは、まず、令和の高校生のシャトルランの平均回数を確認してみましょう。
令和2年に実施された体力運動能力調査における高校生のシャトルランの平均回数は以下の表のとおりになっています。
学年 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 83.29回 | 48.82回 |
高校2年生(17歳) | 86.01回 | 44.33回 |
高校3年生(18歳) | 79.29回 | 41.69回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
男子については高校1年生、2年生と再びシャトルランの平均回数が上昇しています。
その後、高校3年生で再び低下。
これは大学受験に向けての勉強のために運動不足になることが影響しているのでしょう。
女子については高校1年生の時に、ほんのわずかだけ、平均回数が上昇しますが、高校2年生、3年生と続けて低下することになります。
高校2年生時点でも低下している点を考えれば、受験勉強による運動不足以外にも低下の要因があるものと推測されます。
女子については他の体力測定の調査からなんとなく予測がついていたけど、男子については正直、意外な結果だよな。
まさか高校生男子がシャトルランの平均回数で中2男子にかなわないなんて思ってもみなかったよ。
※シャトルラン回数アップの秘策
シャトルランは独特なルールで行われる測定種目ではありますが、大別すれば持久走ということになります。
そこで、ここでは持久走を走る時の効率的な呼吸法をわかりやすく教えてくれている動画をご紹介しておきますのでシャトルランの回数アップを図りたい方は是非とも参考になさって下さい。
シャトルランの平均回数、令和の高校生VS平成の高校生
次に高校生のシャトルラン平均回数の推移を知るべく、少し昔の高校生の平均回数をチェックしてみましょう。
ここでは、政府が運営する統計データサイト、e-Statで公開されているデータのうち最も古い平成11年度体力運動能力調査における高校生のシャトルランの平均回数との比較を行うことと致します。
学年 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 82.71回 | 46.62回 |
高校2年生(17歳) | 86.07回 | 48.09回 |
高校3年生(18歳) | 77.58回 | 42.39回 |
引用元:平成11年度体力運動能力調査結果(速報)
男子については高校1年生と3年生に関しては令和の高校生の平均回数が上回り、高校2年生に関しては平成の高校生の平均回数が上回っています。
女子については高校1年生に関しては令和の高校生の平均回数が上回り、高校2年生、3年生に関しては平成の高校生が上回っています。
つまり、全体として考えれば令和の高校生と平成の高校生のシャトルランの平均回数勝負は3勝3敗の引き分けという結論になります。
小学生と中学生の場合、全学年、男子女子ともに令和の子供たちの平均回数が、上回っていますので、この点は小学生、中学生と高校生で大きく傾向が異なる点と言えるでしょう。
高校生については令和と平成でほぼ互角になるんだね。
ひょっとしてこの年代あたりが令和と平成のシャトルラン平均回数に関する力関係の分岐点になるのかしら。
この点に関してはさらに調査の必要性がありそうね。
運動部への所属の有無の影響は?
次に運動部等に所属している高校生とそうでない高校生のシャトルラン平均回数の比較を行いたいと思います。
男子編/学年 | 運動部等に所属している高校生 | 所属していない高校生 |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 89.53回 | 69.06回 |
高校2年生(17歳) | 92.85回 | 76.45回 |
高校3年生(18歳) | 88.87回 | 62.40回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
女子編/学年 | 運動部等に所属している高校生 | 所属していない高校生 |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 61.92回 | 39.54回 |
高校2年生(17歳) | 52.15回 | 40.47回 |
高校3年生(18歳) | 42.64回 | 40.95回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
全学年、男子女子共に運動部等に所属している高校生とそうでない高校生では運動部等に所属している高校生の方がシャトルランの平均回数において大きく上回っています。
この点は小学生や中学生の時と同様の結果ですね。
やはり、運動部等に所属し頻繁に運動する機会がある高校生の方が持久力があると結論づけることができそうです。
この点に関しては予測通り。
そりゃ、そうだよね。
都会の高校生VS田舎の高校生の平均回数はどちらが上?
次に都会の高校生と田舎の高校生のシャトルランの平均回数を比較してみましょう。
なお、ここでは都会とは体力運動能力調査における都市階級区分のうち、大・中都市を、田舎とは同区分のうち町村を、それぞれ指す示すものと致します。
男子/学年 | 都会(大都市・中都市) | 田舎(町村) |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 85.91回 | 82.36回 |
高校2年生(17歳) | 88.82回 | 87.47回 |
高校3年生(18歳) | 83.62回 | 84.14回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
女子/学年 | 都会(大都市・中都市) | 田舎(町村) |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 51.76回 | 46.66回 |
高校2年生(17歳) | 48.57回 | 43.58回 |
高校3年生(18歳) | 41.48回 | 41.00回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
男子については高校1年生と2年生に関しては都会の方が、高校3年生については田舎の方がシャトルランの平均回数が多くなっています。
また、女子については全学年において都会の方がシャトルランの平均回数が多くなっています。
全体としては都会の5勝1敗ですから、シャトルランの平均回数から判断するかぎり、都会の高校生と田舎の高校生では都会の高校生の方が持久力があるものと判断することができそうです。
小学生の時は田舎の圧勝だったものが中学生になってからは都会がやや優勢になり、高校生では都会の優勢がより明確になってきたわけね。
それにしても田舎の高校生が持久力の面で都会の高校生に後れをとっている理由の検討がつかないわ。
この理由についても機会があったら調べてみたいな。
まとめ
- 高校生男子のシャトルランの平均回数は1年生、2年生時と上昇するものの3年生時には低下。
高校生女子のシャトルランの平均回数は1年生時には上昇するものの2年生、3年生時には続けて低下。
男子女子共にピーク時の平均回数には及ばない。 - 令和の高校生と平成の高校生のシャトルランの平均回数を学年別に比較すると男子については令和の2勝1敗、女子については平成の1勝2敗となる。
全体としてはほぼ互角と言える。 - 運動部等に所属している高校生とそうでない高校生では運動部等に所属している高校生の方がシャトルランの平均回数において大きく上回る。
- 都会の高校生と田舎の高校生のシャトルランの平均回数を学年別に比較すると男子については都会の2勝1敗、女子については都会の3勝となる。
全体としては都会の優勢と判断することになる。
今回も色んな発見があったけど、理由がよくわからないことが多かったなあ。
理由を少しでも解明するためには、さらに対象を広げて調査をする必要がありそうだね。
ちなみに他の平均についてもあれこれ記事にしていますので、合わせてチェックしてみて下さいね。
⇒色んな平均の記事一覧