今回は前回の記事の続編ということで、中学生のシャトルランの平均回数についてご紹介したいと思います。
小学生の間は学年が上がる度に男子女子共に順調に上昇し続けたシャトルランの平均回数ですが、中学生以降はどのように変化していくのでしょうか?
引き続き、上昇し続けるのか、それとも中学生のうちに頭打ちが来るのか、大いに気になるところですよね。
そのあたりのことについて政府が公開する体力運動能力調査の結果データに基づき、詳しく検討していきますので、興味のある方は是非、最後までお付き合い下さい。
それでは、早速、行ってみましょう。
中学生は体力が大きく上昇する時期。
どれくらいシャトルランの平均回数が伸びることになるのか、ちょっと、楽しみだね。
中学生のシャトルラン平均回数は?
令和2年度体力運動能力調査での中学生のシャトルランの平均回数は以下の表のとおりです。
学年 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 81.40回 | 58.67回 |
中学2年生(14歳) | 91.82回 | 55.60回 |
中学3年生(15歳) | 78.21回 | 48.67回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
まずは男子について。
中学1年生、2年生と順調に記録が伸びていますが、中学3年生でガクンと回数が減っています。
受験勉強による運動不足が影響しているのでしょうが、中学1年生の平均回数さえも下回っていること考えれば非常に大きな低下と言えると思います。
次に女子についてです。
女子については中学1年生までは回数が伸びていますが、2年生時、3年生時には平均回数が減少しています。
3年生については受験勉強の影響もあるのでしょうが、それにしても明確な減少傾向にあることは間違いなさそうです。
実は男子については中学2年生が、女子については中学1年生が、それぞれシャトルランの平均回数のピークになるんだって。
結構、早い時期にピークが来ちゃうんだね。
シャトルランの平均回数、昔の中学生と比べると?
次に中学生のシャトルランの平均回数の推移を知るべく、少し昔の中学生の平均回数をチェックしてみましょう。
ここでは、政府が運営する統計データサイト、e-Statの掲載データのうち最も古い平成11年度の体力運動能力調査における中学生のシャトルランの平均回数と比較検討してみたいと思います。
学年 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 79.66回 | 52.07回 |
中学2年生(14歳) | 85.64回 | 52.89回 |
中学3年生(15歳) | 76.34回 | 43.42回 |
引用元:平成11年度体力運動能力調査結果
男女とも全学年において令和の中学生の平均記録が上回っていることがわかります。
小学生同様、中学生についてもシャトルランの平均回数が上昇傾向にあるということですね。
中学生も令和の子たちの方が平均回数が上なんだね。
運動部への所属の有無の影響は?
それでは次に運動部等に所属している中学生とそうでない中学生のシャトルランの平均回数の比較を行います。
男子/学年 | 運動部等に所属している中学生 | 所属していない中学生 |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 84.09回 | 57.04回 |
中学2年生(14歳) | 95.42回 | 77.16回 |
中学3年生(15歳) | 86.49回 | 63.93回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
女子/学年 | 運動部等に所属している中学生 | 所属していない中学生 |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 64.84回 | 41.72回 |
中学2年生(14歳) | 62.16回 | 44.72回 |
中学3年生(15歳) | 57.97回 | 41.10回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
全学年、男子女子共に運動部等に所属している中学生の方がシャトルランの平均回数が多いことがわかります。
また、小学生の場合と同様にその平均差も非常に大きいですね。
中学1年生女子についてはその差が約1.55倍にも達しています。
運動部等に所属していない中学生は自主的に運動する機会を増やすなどして、持久力アップに努めたいところです。
運動部等に所属している中2男子の平均回数がすごい!
平均回数がこれなら100回を超える人も結構、多いのかも。
都会の中学生と田舎の中学生の平均回数の差は?
それでは最後に都会の中学生と田舎の中学生の平均回数の比較を行います。
まずは男子について。
男子/学年 | 都会(大都市・中都市) | 田舎(町村) |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 86.45回 | 78.49回 |
中学2年生(14歳) | 89.41回 | 93.88回 |
中学3年生(15歳) | 82.71回 | 76.64回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
中学1年生と3年生については都会の中学生の方が平均回数が多く、中学2年生については田舎の中学生の方が平均回数が多くなっています。
次に女子について。
学年 | 都会(大都市・中都市) | 田舎(町村) |
---|---|---|
中学1年生(13歳) | 59.15回 | 55.88回 |
中学2年生(14歳) | 53.70回 | 54.45回 |
中学3年生(15歳) | 50.61回 | 49.18回 |
引用元:令和2年度体力運動能力調査結果(速報)
女子についても男子の場合と同様に中学1年生と3年生については都会の中学生の方が平均回数が多く、中学2年生については田舎の中学生の方が平均回数が多くなっています。
小学生の時は12のセグメント(6(学年)×2(男女の別))のうち11のセグメントにおいて田舎の小学生の平均回数が上回っていましたが、中学生では6つのセグメント(3(学年)×2(男女の別))のうち4つのセグメントにおいて都会の中学生の平均記録が上回っていることになります。
つまり、シャトルランの平均回数からだけ判断する限り、田舎の中学生より都会の中学生の方が持久力は上と結論づけることができそうです。
どうも平均回数の変化の仕方に違和感があるなあ。
たとえば、運動部の子ばかりが体力測定に参加していたりとかいった問題があるのかも。
まとめ
- 中学生男子のシャトルランの平均回数は中学生2年生まで順調に伸び続け、中学2年生時にピークに達する。
中学生女子のシャトルランの平均回数は中学1年生時にピークに達し、その後、中学3年生まで低下し続ける。 - 平成の中学生と令和の中学生では、全学年、男子女子ともに令和の中学生の方がシャトルランの平均回数が多い。
- 運動部に所属している中学生とそうでない中学生では、全学年、男子女子ともに運動部に所属している中学生の方がシャトルランの平均回数が多い。
また、その差は非常に大きい。 - 都会の中学生と田舎の中学生では6つのセグメントのうち、4つのセグメントにおいて都会の中学生の方がシャトルランの平均回数が多い。
このことは小学生の場合と最も大きく状況が異なる点である。
シャトルランの平均回数のピークは50メートル走よりさらに前倒しになるんだね。
特に男子は3年も前倒しになるのか。
まさか中2がピークになるなんて全く予測していなかったよ。
本当にちゃんと調べて見ないとわからないものだね。
ちなみに他の平均についてもあれこれ記事にしていますので、合わせてチェックしてみて下さいね。
⇒色んな平均の記事一覧