こんにちは、コテコテ関西人、やっせです。
本日は関西弁「いてる」の意味等について、お伝えしていきます。
東北など寒冷な地域では「凍っている」や「ひどく冷える」などの意味で使われることの多い「いてる」という言葉ですが、実は関西では全く別の意味で使われています。
そのあたりのことを豊富な例文を用いて、なるべくわかりやすく解説していくつもりですので興味のある方は是非、最後までお付き合い下さい。
それでは、早速、いきまっせ!
「いてる」なんて言葉、聞いたことないわ。
どんな意味なのかしら。
関西弁「いてる」の意味は?
関西弁「いてる」は標準語でいうところの「いる」と同じ意味になります。
すなわち
①ある場所に滞在していること
②存在していること
③存命であること
などを意味する言葉だということです。
「いてる」という言葉は標準語「いる」という言葉の文末が変化して、生まれた言葉であると考えられます。
近畿圏では状態の継続をあらわす「~している」という言葉を「~してる」と「い」を抜かして使うことが多いんですね。
このことから考えると、「いてる」というのは「い(る)」という状態が継続していることを強調した言葉であると推測できなくも、ありません。
まあ、あくまで推測に過ぎませんが。
なお、近畿圏でも、たとえば「凍てつくような寒さ」といった具合に「凍てる」の意味で「いてる」を使うこともあります。
さらに滋賀県や兵庫県但馬地方などの雪が多く、寒くなりやすい場所では「道が凍てる」とか「タオルが凍てる」といった使い方を普通にするようです。
とはいえ「いてる」は近畿圏では95%「いる」を意味する言葉ですので、それでは話の筋が通らない場合に限って「凍てる」の意味で使われている可能性を考えてもらえれば大丈夫かと思います。
関西でも「いてる」を「凍っている」の意味で使う地域があるのか。
ちょっと、ややこしいね。
いてるは、どこの方言?
いてるは大阪・京都を中心に兵庫・奈良・和歌山・滋賀・三重など近畿圏ほぼ全域で使用される方言です。
なお、現在では福井県や徳島県などの一部地域でも普通に使われているようです。
なお、関西では「いてる」という言葉と同義で「おる」という言葉も頻繁に使われますが、「おる」についても「いてる」と同様、近畿圏ほぼ全域で使用される方言となっています。
関西弁「いてる」を例文でマスター!
それでは次に関西弁「いてる」を使った例文を見ていきましょう。
一応、標準語訳もつけていますので、合わせてご参照下さい。
自分とこ、今日、お母ちゃん、家、いてる?。
(標準語訳:あなたのところ、今日、お母さん、家にいますか?)
いてんちゃう。知らんけど。
(標準語訳:いるんじゃないですか。はっきりとは、わからないですが。)
人の在・不在を確認する際に、「~いてる?」と聞きます。
なお、「いてる」を関西弁で推測を意味する助動詞「ちゃう」で受ける場合、例文のように「いてんちゃう」と「る」を「ん」に訛らせることがあります。
自分、彼氏、いてんの?
(標準語訳:君、彼氏、いるの?)
いてるよ。
(標準語訳:いるよ。)
特定の立場・関係性の人が存在しているか、どうかを尋ねる際に「~いてんの?」とか「~いてるの?」などと、聞きます。
大阪人は基本的に個人情報という感覚が非常に薄い人種。
そのため、例文のような質問を初対面の相手にでも気軽に行います。
ちなみに大して興味がない相手にも、世間話的に聞くことが多いので、あまり深い意味にとる必要はありません。
うちはお父ちゃん、いてへんねんから、あんたは余計にしっかりしてもらわな困るで。
(標準語訳:我が家にはお父さんがいないのだから、あなたには余計にしっかりとしてもらわないと困るのよ。)
「いてる」の否定は基本的に「いてへん」となります。
「いてない」という表現も使わないわけではありませんが、「いてへん」の方が圧倒的によく使われると思います。
今日、社長、昼から事務所、いてはる?
(標準語訳:今日、社長は昼から事務所にいらっしゃいますか?)
「いてる」の主体に対して敬意を表する場合、「いてはる」となります。
ちなみに「いてる」の同義語「おる」について「おりはる」という言い方をすることは、まず、ありません。
※以下のページで「はる」を含めた関西弁の語尾についてまとめています。興味のある方は是非ともご覧になって下さい。
関西弁の語尾について一覧で紹介しています。関西弁の語尾のニュアンスや使い方がスッキリとわかるよう、各語尾ごとに例文を用いて解説していますので、関西弁に興味のある方は是非とも、ご覧になって下さい。
「いてはる」って、なんか言葉の響きが柔らかくて好きかも。
機会があったら、使ってみよっと。
まとめ
- 関西弁「いてる」は標準語の「いる」と同義語で
①ある場所に滞在していること
②存在していること
③存命であること
などを意味する。 - 「いてる」は近畿圏のほぼ全域で使用される方言である。
また、関西弁での同義語に「おる」という言葉がある。 - 「いてる」の否定形は「いてへん」「いてない」など。
- 「いてる」の主体に対して敬意を表する場合、「いてはる」とする。
実は私自身、これまで「いてる」が関西弁だということを特に意識することはありませんでした。
関西以外の人に対して「いてる」と言っても意味が通じなかったことがなかったからです。
本当はみんな「いてるって、なんだよ。」とツッコミを入れたかったのかも。
関西人相手にツッコミを入れると面倒くさいから、放置されていただけなんでしょうか。
いずれにしても今後は「いてる」は関西弁なのだということを自覚し、関西以外の人に対しては、なるべく「いる」の方を使うことにしたいと思います。
なるべく、やけどね。(笑)
当ブログでは他にも色んな関西弁の意味等について解説しているから、興味のある方は、合わせてご覧になって下さいね。