こんにちは、コテコテ関西人やっせです。本日は関西一円でよく使われる「ばり」という言葉について紹介致します。

「ばり」という言葉の意味や、どこの地域の方言であるかなどについて関西弁歴50年の大阪人が詳しく解説していきますので興味のある方は是非とも最後までお付き合い下さい。

そしたら、早速、行きまっせ。

あっこちゃんあっこちゃん

「ばり」なんて言葉、聞いたことないわ。どういう意味なのかしら。

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「ばり」ってどういう意味なの?

まずは「ばり」と言う言葉の意味について、サクッと確認しておきます。

「ばり」というのは標準語でいうところの「とても」「非常に」「すごく」などの意味を持つ言葉です。たとえば、こんな感じで使います。

「六甲山から見た夜景、ばり、きれいやで。(標準語訳:六甲山から見た夜景、すごく、きれいだよ。)」

「ばり」の語源は?

「ばり」の語源については二説あります。

一つ目は英語で「とても」や「非常に」を意味する「very」から来ているとする説。二つ目は非常に勢いのある様を意味する「バリバリ(現役バリバリの大リーガーなどという時のバリバリ)」から来ているとする説です。

どちらも、ありそうな説ではありますが、当初、中高生あたりで広まった若者言葉であったことを踏まえると「very」から来ているとする説の方が、より有力なように思われます。中高生が習ったばかりの英語を使ってみたい的な発想で「ばり」と言い出したのではないかということです。

まことくんまことくん

そう言えば昔のマンガで「バリバリ伝説」っていうのが、あったよね。ああいうのも少なからず影響していたりして。

「ばり」ってどこの方言?

「ばり」という言葉の発祥の地は福岡県の博多周辺と言われています。つまり、発祥の地という点を重視するのであれば、「ばり」は、博多の方言ということになるわけです。

ただし、現在においては九州地方のみならず、広島県、さらには兵庫県、大阪に至るまで西日本の非常に広い範囲で使用されるようになってきており、博多の方言という印象は薄くなっています。

なお、「ばり」という言葉が博多で使われだしたのは、1980年頃とその歴史は浅く、発祥の地、博多においても60代以上の世代はほとんど使わないとのことです。一方、私が住む大阪でも私が高校生であった35年前には既に多くの友達が使っていましたので、博多、大阪間での使用開始時期のタイムラグは、ほとんなないもとの考えられます。

これらの事実を総合的に勘案すれば「ばり」は博多の方言というより、西日本一帯における、かつての若者言葉と捉える方が、より正確と言えそうです。全世代の人が等しく慣れ親しむ、方言と呼べるレベルのものにまで昇華するには、今少し、時間がかかりそうです。

あっこちゃんあっこちゃん

っていうことは博多ラーメンの「バリカタ」のバリはこの「ばり」なのね。まさに、ばりうれしい発見!

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関西弁での「ばり」の使用事例

それでは、ここで「ばり」という言葉への理解をさらに深めて頂くべく、関西弁での「ばり」の使い方を例文を用いて紹介したいと思います。標準語訳もお付けしておきますので、合わせて参考にして下さい。

例文①

ここのたこ焼きに入ってるタコ、ばりデカいねんで。
(標準語訳:ここのたこ焼きに入ってるタコ、すごく大きいんだよ。)

「ばり」に続ける言葉として関西人が最初に思い浮かべるのは「デカい」だと思います。博多の人なら当然「かたい」なんでしょうが。

ちなみに大阪人はたこ焼き屋のタコの大きさをよく話題にします。(笑)

例文②

なんや、この薬、ばり苦いやん。
(標準語訳:なんだ、この薬、すごく苦いよ。)

「ばり」は関西弁では、どちらかというとマイナスのイメージの形容詞を強める際によく使います。「ばり」という言葉の語感のせいかもしれません。

例文③

俺、あいつのこと、ほんま、ばり嫌い。本気でいつか、いわしたろかと思てんねん。
(標準語訳:俺、あいつのこと、本当に、すごく嫌い。本気でいつか痛い目に合わせてやろうかと思っているんだ。)

若年層ほど、「ばり嫌い」とか「ばり好き」などと形容詞までで止める言い方をする傾向にあります。

※「いわす」という言葉の詳細についてはこちらの記事をご覧になって下さい。

まことくんまことくん

関西弁で「とても」とか「すごく」を意味する言葉と言ったら「めちゃくちゃ」を思い浮かべがちだけど、「ばり」も結構、頻繁に使っているんだね。

まとめ

  • 「ばり」というのは標準語でいうところの「とても」「非常に」「すごく」などの意味を持つ言葉。
  • 「ばり」はもともと博多で生まれた言葉だが、現在では広島や兵庫、大阪など、西日本の非常に広い範囲で使用されている
  • 「ばり」はもともと若者言葉で博多でも60代以上の世代はほとんど、使っていない。その意味ではこれから方言として定着しようとしている言葉ということになる。

ちなみに私自身は圧倒的に「めちゃくちゃ」派で「ばり」という言葉は人生で、ほんの数度、程度しか使ったことがありません。それも友達が「ばり」という言葉を使うので、それに合わせて「ばり」という言葉を使ったという感じです。

その一方でうちの大学生の息子や姪っ子などは、「ばり」の方をかなり頻繁に使っています。つまり、世代が若くなれば、なるほど「ばり」という言葉を使用する頻度が高くなっているということなのでしょう。

まあ、関西では、今のところは、まだ「めちゃくちゃ」の方が優勢ですが、いずれどこかの時点で「ばり」が、それに並び立ち、さらには逆転するような時代がやってくるのかもしれませんね。もちろん、まだまだ、ずっと先の話だとは思いますが。

以上、今回は関西でよく使用される言葉「ばり」の意味等についてお伝え致しました。

あっこちゃんあっこちゃん

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