前回、前々回と小学生と中学生の50メートル走の平均タイムについてお伝えしてきましたが各回ともに私自身の思い込みを打ち破る意外な発見が多々、ありました。
そこで今回はこの点についての考察をさらに深めるべく、高校生の50メートル走の平均タイムについて詳しく調べてみることに致します。
私自身の記憶をたどる限り、自分の人生の中で一番、足が速かったのは、おそらく高校生の頃だったのではないかと思います。
やはり、その頃までが運動する機会も多かったですし、ある程度、身軽でもありましたからね。
この認識が正しいものなのか、それとも全く的はずれのものなのか、しっかりと検討していきたいと思いますので興味のある方は是非、最後までお付き合いください。
それでは、早速、本題に入って参りましょう!
高校生の50メートル走平均タイム
令和2年度に実施された体力・運動能力調査における高校生の50メートル走の平均タイムは以下のとおりでした。
学年 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 7.31秒 | 8.96秒 |
高校2年生(17歳) | 7.23秒 | 9.05秒 |
高校3年生(18歳) | 7.34秒 | 9.17秒 |
男子については、中学生の時からわずかではありますが、平均タイムが縮まっています。
高校生になって、さらに体力が伸びているということですね。
高校2年生から3年生の時期の平均タイムの落ち込みは、受験勉強による運動不足が原因でしょう。
一方、女子については中学生の時から比べると明らかに平均タイムが落ちています。
さらに高校生になってからは学年が上がるごとに平均タイムが低下していますね。
このことから、この平均タイムの低下は受験勉強以外の要因があるものと推測できます。
身体的な成長によって、短距離走を走るには適さない体型になってくることが影響しているのかもしれません。
※50メートル走を速く走れる方法を詳細に解説している動画を紹介しておきます。
ちょっと、長い動画ではありますが、紹介されている方法を実践できれば、確実にタイムを縮めることができると思いますので、興味のある方は是非ともご覧になって下さい。
ちょっと難しい部分もあるけど、これなら確実に足が速くなりそうだね。
平成の高校生とどちらが速い?
次に今の高校生と昔の高校生の50メートル走の平均タイムの比較を行ってみます。
ここでは政府の統計データサイト、e-Statで公開されている体力・運動能力調査結果のうち、最も古い平成11年度の 体力・運動能力調査 における高校生の50メートル走の平均タイムと比較することにしますね。
学年 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 7.42秒 | 9.04秒 |
高校2年生(17歳) | 7.31秒 | 9.07秒 |
高校3年生(18歳) | 7.41秒 | 9.22秒 |
1年生から3年生まで全学年、男子・女子共に令和の高校生の平均タイムの方が上回っていることがわかります。
50メートル走の平均タイムだけで判断すれば、平成の高校生より令和の高校生の方が足が速いということになりそうです。
これは小学生と中学生の場合とほぼ同様の結果です。
一時期、心配されていた現代人の体力の低下傾向は、少なくても若年層については底を打ち、改善の方向に向かっているのかもしれませんね。
小中学生だけでなく、高校生の平均タイムもアップしているんだね。なんだか、すごく安心したわ。
運動部等への所属の有無の影響は?
次に運動部等に所属している高校生とそうでない高校生の50メートル走、平均タイムの比較検討を行いたいと思います。
男子 | 運動部に所属している | 運動部に所属していない |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 7.20秒 | 7.57秒 |
高校2年生(17歳) | 7.17秒 | 7.31秒 |
高校3年生(18歳) | 7.22秒 | 7.47秒 |
女子 | 運動部に所属している | 運動部に所属していない |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 8.66秒 | 9.20秒 |
高校2年生(17歳) | 8.72秒 | 9.22秒 |
高校3年生(18歳) | 8.79秒 | 9.24秒 |
全学年、男子・女子共に運動部に所属している高校生の平均タイムの方が上回っていることがわかります。
これは完全に予想通りですね。
やはり、定期的に運動する機会があることは運動能力にプラスの影響をもたらすようです。
まあ、当たり前すぎる話ではありますが。
男子と女子だと女子の方が運動部に所属している人とそうでない人のタイム差が大きくなるんだね。
なんでだろう?
言われてみれば、確かにそうだね。
女子は運動部に所属していない限り、運動する機会が極端に減ってしまうということかな。
ちょっと、よくわからない現象だね。
都会の高校生VS田舎の高校生
次に都会の高校生と田舎の高校生の50メートル走の平均タイムの比較を行ってみたいと思います。
男子編 学年 | 大・中都市 | 町村 |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 7.31秒 | 7.32秒 |
高校2年生(17歳) | 7.25秒 | 7.17秒 |
高校3年生(18歳) | 7.32秒 | 7.38秒 |
女子編 学年 | 大・中都市 | 町村 |
---|---|---|
高校1年生(16歳) | 8.95秒 | 8.95秒 |
高校2年生(17歳) | 9.04秒 | 8.96秒 |
高校3年生(18歳) | 9.24秒 | 9.08秒 |
男子については1年生と3年生で都会の高校生の方が平均タイムが上回っており、やや優勢なようです。
女子については2年生と3年生で田舎の高校生の方が平均タイムが上回っており、優勢ということになります。
中学生に関しては田舎の中学生の方が割とハッキリと優勢だったのですが、高校生に関しては、田舎の高校生の方がやや優勢といったぐらいの感じですね。
僕的には、この結果はちょっと意外な感じがするなあ。都会の方が大学進学率が高いから、どうしても運動不足なる高校生が多いでしょ。その分、中学生の時以上に田舎の子との足の速さの差が拡がりそうな気がしてたんだけどなあ。
本当にちゃんと調べて見ないとわからないことって多いものなんだね。
まとめ
- 高校生男子の50メートル走の平均タイムは高1、7.31秒・高2、7.23秒・高3、7.34秒。
中学生の時に比べてわずかながら、さらに平均タイムが縮まっている。 - 高校生女子の50メートル走の平均タイムは高1、8.96秒・高2、9.05秒・高3、9.17秒。
中学生の時に比べると平均タイムが低下傾向にある。 - 平成の高校生と令和の高校生では全学年、男子女子共に令和の高校生の方が50メートル走の平均タイムが速い。
- 運動部等に所属している高校生とそうでない高校生では全学年、男子女子共に運動部等に所属している高校生の方が50メートル走の平均タイムが速い。
特に女子については、その傾向が顕著となる。 - 都会の高校生と田舎の高校生の50メートル走の平均タイムを学年ごとに比較すると男子については都会の2勝1敗、女子については田舎の2勝1分け。
中学生の時に比べると田舎と都会の差はやや縮まることになる。
男子・女子共に高校生ぐらいが50メートル走の平均タイムが最も早い時期だと思ってたんだけど、女子は中学生の時より、遅くなってしまうのね。
この後は平均タイムが落ちていく一方なのかしら。すごく気になる。
また、近いうちに、そのあたりのことも調べてみようっと。
ちなみに他の平均についてもあれこれ記事にしていますので、合わせてチェックしてみて下さいね。
⇒色んな平均の記事一覧