まいど、コテコテ関西人やっせです。本日は関西人がよく使う「しとる」という言葉の意味等についてご紹介致します。

国語辞典などで調べると「しとる(湿る)」というのは「しめる」という意味であると記載されていますが、関西ではこれとは全く別の意味合いで日常的に使用されています

そんな関西人がよく使う「しとる」という言葉の意味を関西以外にお住まいの方にもスッキリとご理解頂けるよう、丁寧になおかつ、ユーモアを持って解説させて頂くつもりですので興味のある方は是非とも最後までご覧になって下さい。

ほな、早速、行かせてもらいまっせ~!

まことくんまことくん

これは知ってる。関西出身の芸人さんたちがよく使っているからね。標準語の「しとる」という言葉の方は全然、知らなかった。こんな言葉があるんだね。

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「しとる」の意味とは?

「しとる」とは標準語でいうところの

している

を意味する言葉です。

つまり、現在進行形あるいは状態を表す言葉ですね。

たとえば友達を遊びに誘うのために予定を確認したい場合などに「自分、明日、何しとるん?」などと言ったりするわけです。

なお、「しとる」は「~する」という形をとる動詞の進行形を作るために使用される言葉で、それ以外の動詞の進行形を作る場合には「とる」という言葉の方が使用されます。

(例)
散歩する→散歩しとる
寝る→寝とる

※「しとる」「とる」を含めた関西弁の語尾については、こちらの記事でまとめて紹介しています。

あっこちゃんあっこちゃん

これは大体、予想がついたわ。千鳥のノブなんかが「何をしとるんじゃ」とか「何を言うとるんじゃ」とか、よく言ってるもんね。

「しとる」を使った例文

ここでは「しとる」という言葉を使った関西弁の例文をいくつか紹介致します。

実際の会話を想定した例文に触れることによって「しとる」という言葉の意味に対する理解がさらに深まることになると思いますので是非ともご覧になって下さい。

例文①

タカシは何しとん
(標準語訳:タカシは何をしてる?)

今、宿題しとるんとちゃうか。
(標準語訳:今、宿題しているんじゃないか。)

しとん」は「しとる」の「る」が「ん」になまったもの。

関西弁では割とよくある変化ですね。

ちなみに「しとるん」の方は「しとるの」の「の」が「ん」になまったものになります。

例文②

あれ、お父さん、帰ってはったん?
(標準語訳:あれ、お父さん、帰っていらっしゃったの?)

いや、どこも行ってないで。庭の掃除しとったんや。
(標準語訳:いや、どこにも行ってないよ。庭の掃除をしていたんだ。)

「しとった」は「しとる」の過去形

「しとる」が進行形ですから「しとった」は過去進行形ということになります。

例文③

もしもし、今いける?
(標準語訳:もしもし、今大丈夫?)

ごめん、今、ご飯の用意しとんねん。また、後でこっちから電話するわ。
(標準語訳:ごめん、今、ご飯の用意してるんだ。また、後でこちらから電話するね。)

いや、ほな、また、こっちから電話するわ。これから、すず、塾に送って行かなあかんから。
(標準語訳:いや、そしたら、また、こちらから電話するわ。これからすずを塾に送って行かないといけないから。)

えっ、すずちゃん、もう塾、行かしとるん?
(標準語訳:えっ、すずちゃん、もう塾に行かしているの?)

せやねん。小3やし、まだ、早い気もするんやけど、本人、行きたい、言うもんやから行かしとるんよ。
(標準語訳:そうなの。小3だし、まだ、早い気もするんだけど、本人が行きたいと言うものだから行かしているのよ。)

「しとる」を使った長めの例文。

このように会話が「しとる」という言葉の応酬になることもあります。

※「あかん」という言葉の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。

まことくんまことくん

「しとる」の過去形は「しとった」になるのか。覚えておこう。

「しとる」はどこの方言?

「しとる」という言葉は以下の地方で使用されています。

  • 中部地方(愛知県・岐阜県など)
  • 近畿地方(京都府・大阪府・兵庫県など)
  • 中国地方(岡山県・広島県など)
  • 四国地方(香川県・愛媛県など)

したがって「しとる」は中部地方から中国・四国地方にかけての方言ということになります。

ただし「しとる」という言葉の使い方や変化のさせ方については地域ごとに微妙な差があるようです。

たとえば兵庫県でも瀬戸内側、神戸市より西の地域では「しとう(しとー)」という独特のなまりで使用することが多くなっています。

あっこちゃんあっこちゃん

「しとう」って、なんかかわいいわね。「今、何しとう?」みたいな感じで使うのかしら。

まとめ

  • 「しとる」とは標準語でいうところの「している」を意味する言葉である。
  • 「しとる」は「~する」という形をとる動詞の進行形を作るために使用される言葉で、それ以外の動詞の進行形を作る場合には「とる」という言葉の方が使用される。
  • 「しとった」は「しとる」の過去形である。
  • 「しとる」は中部地方から中国・四国地方にかけての方言である。

ちなみに私が住む大阪でも近年では「しとる」や「とる」より「してる」や「てる」を使用する人の割合の方が高くなってきているように思います。

これも標準語化を象徴する一つの現象ですかね。

しかしながら漫才のつっこみはやはり、「何してんねん」より「何しとんねん」の方。

「何しとんねん」の方が語気が強く、しっかり落ちる感じがするからでしょうか。

いずれにしても近い将来、「しとる」とか「とる」なんて言うのは漫才師だけなんていう時代がやってくるのかもしれません。

漫才師、諸君、頼んまっせ。

今や「しとる」や「とる」の存亡は君らの肩にかかっとるんやから。

以上、今回は「しとる」という言葉の意味等について紹介致しました。

まことくんまことくん

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