まいど、コテコテ関西人やっせです。
本日は関西人がちょくちょく使用する「あんぽんたん」という言葉についてお伝え致します。
先日、ある飲み会の席である知人が他の人のことをふざけて「このあんぽんたんが!」と罵ったところ意味が通じないという出来事があったんですね。
で「ひょっとして、あんぽんたんというのは関西弁なの?」という疑問が生じ、今回、あらためて調査した上で当サイトでも紹介しようと思い立ったわけです。
「あんぽんたん」という言葉がどこかの方言なのかということについてはもちろんのこと、その意味や使い方などについてもサクッと紹介していきたいと思いますので興味のある方は是非とも最後までご覧になって下さい。
ほな、早速、行きまっせ~!
あらためて「あんぽんたんの意味は?」と問われると明確には答えられないかも。良くない意味だということだけはわかるけどね。
あんぽんたんの意味とは?
まずは「あんぽんたん」という言葉の意味について簡単に確認しておきます。
「あんぽんたん」とは
間抜けで愚かなことや、そういう人
のことを意味します。
漢字では「安本丹」と書きます。
たとえば、こんな感じで使います。
「ほんま、お前はあんぽんたんなことばっかりしくさって。(標準語訳:本当にお前は間抜けで愚かなことばかりしやがって。)」
へー、漢字では「安本丹」なんて書くんだ。なんだか薬の名前みたい。
あんぽんたんはどこの方言?
結論から言いますと「あんぽんたん」は方言ではなく共通語です。
もともとは上方言葉(京都や大阪などの上方で使用された言葉)だったようですが、18世紀の中ごろには江戸でも普通に使用されるようになっていたということが、各種文献などから確認されています。
ただ共通語といっても、それは意味が通じるというだけの話であって、少なくとも現代においては、全国的に、ほとんど使用されることのない言葉と言っていいかと思います。
そんな中でも京都や大阪では、まだ、稀にでも会話の中で使う人がいるため、京都・大阪あたりの方言と誤解されることが多いのかもしれません。
ちなみに「あんぽんたん」の語源については
- 「あほ」という言葉に「反魂丹(はんごんたん)」という薬の名前の音が合わさって生まれたとする説
- 大きいがおいしくはない魚、かさごの別名「あんぽんたん」から来ているとする説
- フランス語で性交不能を意味する「アポンタン」から来ているとする説
などがあります。
「あんぽんたん」という言葉の意味するところを考えれば、いずれの説も可能性としては十分、ありそうな感じがしますよね。
おー、もし「あほ」と「反魂丹」から来ているとする説が正しいとすると、あっこちゃんが上で言っていたことは的を射ていることになるね。
あんぽんたんという言葉を使った例文
ここでは「あんぽんたん」という言葉を使った関西弁の例文をいくつか紹介させて頂きます。
「あんぽんたん」という言葉の意味や使い方に対する理解をさらに深めるためにも是非ともご参照下さい。
お母ちゃん、たかし、お母ちゃんの口紅でふすまに絵、描いてるで。
(標準語訳:お母ちゃん、たかし、お母ちゃんの口紅でふすまに絵を描いてるよ。)
こら!この子はあんぽんたんなことして。こんなんしたら、ふすま、張り替えなあかんやろ。ほんま、かなんなあ。
(標準語訳:こら、この子はバカなことをして。こんなことをしたら、ふすまを張り替えないといけないでしょ。本当に困ったことをしてくれたわ。)
「間抜けで愚かなこと」という意味での使用事例。
「あんぽんたん」という言葉を使う人は割とよく「あんぽんたんなことをする」というような言い方をします。
※「あかん」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
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また、田中、どえらい、ちょんぼ、やらかしたらしいで。木村物産さんへの納期、まるまる1週間も勘違いしっとたんやて。
(標準語訳:また、田中、すごい失敗をやってしまったらしいよ。木村物産さんへの納期をまるまる1週間も勘違いしてたんだって。)
また、かいな。ほんま、あれは大概のあんぽんたんやなあ。
(標準語訳:またかよ。本当にあいつは大概の間抜けだね。)
「間抜けで愚かな人」という意味での使用事例。
「あんぽんたん」は「バカ」や「アホ」に比べて「間が抜けている」というニュアンスを強くしたい時に使われることが多いように思います。
※「ちょんぼ」という言葉の意味等の詳細についてはこちらの記事をご確認下さい。
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例文を見てると「あんぽんたん」には小ばかにしながらも、ちょっと憎めないようなニュアンスが入っているような気がするんだけど気のせいかしら。
まとめ
- 「あんぽんたん」とは間抜けで愚かなことや、そういう人のことを意味する言葉である。
- 「あんぽんたん」は方言ではなく共通語である。ただ、意味はわかっても、現状、普段の会話の中で使う人はほとんどいない。
- 「あんぽんたん」の語源については
・「あほ」という言葉に「反魂丹(はんごんたん)」という薬の名前の音が合わさって生まれたとする説
・大きいがおいしくはない魚、かさごの別名「あんぽんたん」から来ているとする説
・フランス語で性交不能を意味する「アポンタン」から来ているとする説
などがある。
私が知る限りでも「あんぽんたん」という言葉をちょくちょく使ってた人は2人ほどしかいません。
1人は高校の時の古文の先生。
もう一人は学生の時にアルバイトをしていた婦人服の卸問屋に出入りしていた運送業者さんです。
まあ、今となってはそれぐらいに使う人がほとんどいない言葉であるということです。
ただし、言葉の音的なインパクトがすごいので、完全に忘れさられてしまうということは、まず、なさそうな気がしますけどねw
以上、今回は「あんぽんたん」という言葉の意味等についてお伝え致しました。
当サイトでは「あんぽんたん」という言葉以外にも様々な言葉の意味等について紹介しています。手前味噌ながら、結構ためになる記事も多いと思いますので興味のある方は是非とも合わせてご覧になって下さい。